内容説明
『白鯨』の作家ハーマン・メルヴィルの主要作品『タイピー』から『ビリー・バッド』までの15篇を〈語り〉という観点から論じる。
目次
糸を紡いで―『タイピー』のために
『オムー』―回想の楽園を求めて
『マーディ』―その語り手といわゆる〈逸脱〉の章について
『レッドバーン』の語り手―『マーディ』との関連において
『ホワイト・ジャケット』―さまざまな語り口
『白鯨』(象徴としてのモウビー・ディック;イシュメイルの時間感覚;説教として)
『ピエール』(第三者の語り手;田舎と都市、もう1つの多義性)
『イズレイル・ポッター』―〈報われぬ英雄〉メルヴィルの独立戦争神話
「独身男たちの天国と乙女たちの地獄」―戯れの言葉
3つの「ベニト・セレノ」
「バートルビー」―語り手の“A Delicious Self‐Approval(甘美な自己満足)”
『詐欺師』―演技者としての詐欺師
『戦争詩集』―「極めて空疎な詩」か?
もう1人のペシミスト、アンガー―『クラレル』から
「昇天」と「死刑執行」―『ビリー・バッド』の言葉
付録 メルヴィルの伝記について
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- 和書
- 風景は絶頂をむかえ