出版社内容情報
ぼく(コーリャ)は13歳。夏の夜、「列車が通り過ぎるあいだ、レールの下に寝ていられるか」という、友人たちとの賭けに勝ってから、町で一目置かれる存在になっている。そんな僕の住む町に、カラマーゾフの三兄弟が戻ってきた。自由奔放な長男ドミトリー、理知的な次男イワン、そして不思議な三男アリョーシャ。そして、三兄弟の父フョードルが死んだ。それは殺人事件だった!誰の目にも、長男ドミトリーが犯人と思われたが、やがて新たな犯人像が浮かび上がる!一転、二転、大逆転のスリリングな展開。ドストエフスキーの名作『カラマーゾフの兄弟』をベースに、少年の視点による「児童文学・冒険ミステリー」として再構成する。
内容説明
二転三転、大逆転の殺人事件。『カラマーゾフの兄弟』は、スリルと謎に満ちている。累計130万部越え「ジョーカー・ゲーム」シリーズの作者によって、世界的名作が〈少年ミステリー小説〉として生まれ変わった!
著者等紹介
柳広司[ヤナギコウジ]
1967年生まれ。2001年『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で朝日新人文学賞受賞。歴史や文学作品をモチーフにしたミステリーに定評がある。09年『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
154
柳 広司は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書は、著者版『カラマーゾフの兄弟』、少年青春譚のミステリでした。『カラマーゾフの兄弟』のオマージュ的な作品は幾つか読んでいるので、何時か本家『カラマーゾフの兄弟』を読んでみたいと思います。 https://www.rironsha.com/book/206832025/06/18
keroppi
67
「カラマーゾフの兄弟」は、かなり以前に読んで、その時に難しい文学というより裁判小説じゃないかと思った記憶がある。この本は、柳広司が、少年コーリャを主人公に置き、「カラマーゾフの兄弟」を分かりやすく書き換えたものだ。読みながら過去に読んだ本を思い返した。難しいところは全部省き簡潔にまとめてあり入門書としてはいいかもしれない。ただ、せっかくならもう少し推理小説にして欲しかったなという感じはした。#NetGalleyJP2025/05/02
藤月はな(灯れ松明の火)
57
『怪談』、『山月記』、シャーロック・ホームズと夏目漱石など、様々な作品を換骨奪胎してその原典に触れるきっかけを作ってくれた柳広司氏。今回、彼が挑むのは文豪の描いた長編ミステリー(未完)の『カラマーゾフの兄弟』!事件を少年目線で描いた瑞々しい作品だ。主人公は第二部の主役となるようだったコーリャ少年。聡明だが、大人にはこしゃまっくれていたり、自分の背が他の子より、低い事を気にしていたり、母親の愛情にうっとおしさを覚えつつも約束は守る律義さが微笑ましい。一方、イリューシャの体調の悪さにショックを受け、自分のエゴ2025/06/13
ゆのん
40
ドストエフスキーは難しくて、やたらと長い作品というイメージだが私は結構好きな作家だ。『カラマーゾフの兄弟』は中学生の頃に読破し当時の国語の先生に驚かれた記憶と、難解ながらも面白かった記憶がある。ただ恐ろしい事にその2つの記憶しかないのだが…。大人になり過ぎた今、再読しようと積んでいるのだがなかなかに敷居が高いのも事実。本作は13歳のコーリャ少年の青春の1ページの様な内容であり嘘の様に読みやすい作品となっている。これを機に少しずつ再読していこうかと思わせてくれる読みやすさと面白さ。積読の山から探してこよう。2025/03/03
Roko
27
13歳の少年コーリャは、カラマーゾフの屋敷がある町で暮らしています。自由奔放な長男ドミトリー、理知的な次男イワン、修道院に入った三男アリョーシャ、この3兄弟の父フョードルが死んだ、それも殺人事件だ!ということで、町中がその噂でもちきりです。コーリャはこの事件にとても興味を持ち、自分たちで少年探偵団を結成し、捜査を始めます。最後には裁判となり、裁判所には多くの傍聴人が集まってきました。コーリャは傍聴席へは入れないので、屋根裏で聞き耳を立てています。#コーリャと少年探偵団 #NetGalleyJP2025/05/21