出版社内容情報
小学6年女子・猿島空乙(サルシマ・ソラオ)は、好きな男子から「ルッキズムも知らないの?」と言われたことをきっかけに、世の中のことをもっと知りたい!と思うようになります。そんな希望をかなえてくれそうな<Q世代塾>を見つけます。先生は、高校生。生徒は、子どもから高齢者までいろいろ。性別もわからない先生に、顔をしかめる人もいます。若者世代と年配世代のギャップ(=感覚のズレ)が生じるなかで、ソラオは、偏見とは何か、差別とは何か、少しずつ自分の頭で考えはじめます。ユニークな設定で、主人公の変化、成長をえがく児童小説。
内容説明
受験のための塾じゃない。成績アップの塾もちがう。探しているのは。Q世代塾 生徒募集中。…あった、希望どおりの塾。わたしは、ここにいこう!どんな自分を好きになれるかな?Q世代塾はあなたの疑問にまっすぐ向き合います!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もちこ
30
高校生が先生を務めるQ世代塾。そこは小中学生から大人まで、誰でも生徒になれる塾。 小学6年生の空乙(そらお)は、世の中のことを知りたいという思いで、Q世代塾に通い始める。 塾で「考えること」を練習して、実生活に活かしていく空乙の成長はすさまじい。 いまは情報過多な世界。その雑多な情報を、自分なりの考えをもって、さばいていく力は、今後はより必要になってくるんだと思う。 この本は、世の偏見や先入観に疑問を持って、「ちがうと思う」と言える力の大切さを教えてくれる。 空乙と一緒に、「考える」練習ができた。2025/05/12
テリトリーM
8
小学6年生の猿島空乙は好きな男子から馬鹿にされたことで塾に通おうと思う。ママは反対。なぜなら女の子は可愛ければ大抵のことは何とかなると思っているから。タイムリーに見つけた希望通りの塾は友だちの兄たちが立ち上げた「Q世代塾」。そこは多様な世代の人たちが座談会をしながら気づきを与えてくれる場所だった。空乙は善く考えるようになる。そして「なりたくないおとなっているんだな」ってことを知ってしまう。もう、きれいなもの、人の良いところの方が目に入りやすい空乙ではない。2025/06/03
史
5
先生のファンだから読む。ちょっとばかし今回は党派制が強いと思ってしまった。先入観はよくないという話であるというのに、ちょっと枠外の人物を悪者にし過ぎというか、この本自体が逆に先入観を植え付けてしまっているのではないか。この先生の作品は普遍的、変わらないものをテーマとしていることが多い中で、そうした時代の流れに乗ってしまった感じはどうしてもネガティブな読み方をしてしまう。まあ物事には表だけではないという部分は良いのですがね……。先生の作品においてはかなり優先度が低い作品。2025/06/01
菱沼
3
しばらく活字が読めなかった。読まなくてはならないからとりあえず一冊読もう、と手に取った。面白くはあった。塾生になったように学べたところ、気づいたこともあった。それでも、作中のさるそらちゃんのように、ちょっとモヤっとしたものが残るのは、作者のコントロールがなんとなく見え隠れしているからかもしれない。それとも、そんなものはなくて、私の穿ち過ぎ? 小学校高学年の子に読んでもらうのがいいかもしれない、と思った。2025/06/27
えびー
2
主人公は小6の空乙(そらお)。好きな子にバカにされたのがきっかけで、塾に通い始める。そこは高校生が先生をしていて、座談会形式で、生徒が自分の意見を話し合うところだった。小学生には難しい内容かも。でも自分の中の疑問をそのままにせず、人と話し合うことで考えを深めるって大事だよね。モヤモヤしている中学生~大人は読んでみて。2025/06/17
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