出版社内容情報
5月のお話ーー二匹のかにの子どもが、谷川のそこで、話しています。上のほうを、あわが流れていきます。おひさまの光がふってきます。ごみのかげが立ちます。魚がやってきました。そのとき、とがった何かが飛びこんできて、魚をつれさっていきました。こわがっている子どもたちの上を、花びらが流れていきます。12月のお話とともに、水底の世界を描いた2つのお話です。名作童話の絵本版。
内容説明
川のそこから見る世界のひろがりをえがいた宮沢賢治の名作が親しみやすい絵本になりました。
著者等紹介
武田美穂[タケダミホ]
東京生まれ。絵本に『となりのせきのますだくん』(絵本にっぽん賞、講談社出版文化賞・絵本賞受賞)に始まる「ますだくん」シリーズ、『ふしぎのおうちはドキドキなのだ』(絵本にっぽん賞)、『すみっこのおばけ』(日本絵本賞読者賞、けんぶち絵本の里大賞グランプリ)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
204
宮沢賢治さん原作の童話に武田美穂さんが絵を描かれて一冊に仕上げた素晴らしい絵本です。このお話は正直言いますと冒頭の幼いカニの兄弟の会話の「クラムボン」の意味がわからないので少しとっつきにくい印象がありましたが、今回絵本として読むと海底に住むカニの兄弟の表情が豊かで生き生きとしていて飾らない手書きの文字も構えずに読めて素朴な童話の精神が伝わって懐かしくてとても良かったです。まだ世間知らずのカニの子供たちに物の道理を優しく教えてくれる父親のキャラもとてもいいですね。原作はほぼ百年前の1923年に書かれました。2024/02/21
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
宮沢賢治作品を小学生が触れるのにピッタリな絵本。作品のイメージをとらえるのに良いですね。 シリーズ2024/04/24
はるごん
11
教科書で読んでもよく分からなかったやまなし。絵が入る事で分かりやすくカニの表情がかわいかった。2025/01/27
遠い日
5
武田美穂さんによる「えほん宮沢賢治」シリーズ5。絵の美しさではシリーズ随一だと思います。水の中の揺らめきや光と影が美しい陰影を持って写し取られ、ため息が出るほどの輝きで迫ってくる。カニの兄弟の驚きとかわいい小競り合い。お父さんガニの物知りぶり。親子の会話もほほえましい。 賢治童話の難解さを取り除き、易しく改変。でも、味わいは薄まっていない。ここから子どもたちの賢治世界が広がっていけばいいですね。#NetGalleyJP2024/02/20
みこと
3
新着絵本コーナーにあって手に取った。私は小学生の時に授業で扱っていないため、文章を読んでも内容がよく分かっていなかった。これは絵本で視覚的にもわかりやすく、こんなほっこりしたお話になるのかと思った。2024/05/28