内容説明
ともだちとさらならするためのだいじな一日。
著者等紹介
長崎夏海[ナガサキナツミ]
1961年、東京都生まれ。1986年『A day』(アリス館)でデビュー。2000年『トゥインクル』(小峰書房)で第40回児童文学者協会賞受賞。2015年『クリオネのしっぽ』(講談社)で第30回坪田譲治文学賞受賞
ミヤハラヨウコ[ミヤハラヨウコ]
友禅の染め付け、グラフィクデザインなどを経てイラストの仕事を始める。絵本・装画のほか広告・雑誌・雑貨などを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MI
89
美波は沖縄の島の女の子。家族の都合で、東京に引っ越すことに。昨日お別れ会をしたが、洋二だけが来なかった。みんな集まる集会が苦手だからと。いつもそばに洋二がいたのに。最後ぐらい顔を出してくれてもいいのに。キレイな沖縄の海と人の温かさが伝わる本。2024/07/25
J D
75
沖縄の小さな離島に住む少女の物語。挿絵も素晴らしい。明日、東京に旅立つ。大都会に抱く期待とワクワク感では埋まらない心の宝箱。さざ波や風の音、セミの鳴き声が本から溢れ出てきそう。ナットの終わりにピッタリな作品。美波や洋生は、この引っ越し前日の思い出をいつまで覚えているんだろう。大人になるとともに忘れてしまうのかな。忘れてしまうからこそ、この作品は、光るんだろうな。優しい作品でした。2024/08/15
はる
68
好みです。小さな南の島から東京に引っ越すことになった美波。東京に行くのが嬉しいはずなのに、何故か心はからっぽ。美波は仲良しだった洋生くんに会いに行きます…。大きなストーリーがあるわけでもない。でも、美波と洋生くんのやりとりがとてもいいんです。一見、意味がないようで、二人の想いが溢れています。洋生くんの少ない言葉の裏の、素朴な優しさが凄く素敵。爽やかな、夏の思い出の物語。2023/05/13
ぶんこ
41
南の島から東京に引っ越すことになった小学2年の美波ちゃん。同じ2年生の1番の仲良し洋生君がお別れ会に来なかったので会いに行きました。大勢の人のいる会が苦手な洋生君ですが、引っ越し日の飛行機は大丈夫だと言ったり、大きな雲の間でピカピカと光り続ける雷のようなものを一緒に見た時の「よげんだな、あの雲は」「東京でいいことあるっていうよげん」にウルウル。こんな素敵な言葉が出てくるなんて、いい子だなぁ。美波ちゃん、寂しいね。さよならは言いたくないから「ジョゼフィーヌ」と言ったのかな。素敵な絵本。2023/05/20
ツキノ
21
2021年6月発行。島を出て両親の生まれた東京に引っ越す2年生の美波の気持ちが描かれている。カラー絵が美しい。いつもいっしょに遊んでいた洋生はお別れに来なかった。美波から洋生のもとへ。洋生は人探しをしているという。それは「ジョセフィーヌ」。人間じゃないかも?洋生なりの気づかい、しんみりしない別れがいい。著者の長崎夏海さんは鹿児島の沖永良部島在住だそうです。(E212)2021/08/15