内容説明
ともだちとさらならするためのだいじな一日。
著者等紹介
長崎夏海[ナガサキナツミ]
1961年、東京都生まれ。1986年『A day』(アリス館)でデビュー。2000年『トゥインクル』(小峰書房)で第40回児童文学者協会賞受賞。2015年『クリオネのしっぽ』(講談社)で第30回坪田譲治文学賞受賞
ミヤハラヨウコ[ミヤハラヨウコ]
友禅の染め付け、グラフィクデザインなどを経てイラストの仕事を始める。絵本・装画のほか広告・雑誌・雑貨などを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
66
好みです。小さな南の島から東京に引っ越すことになった美波。東京に行くのが嬉しいはずなのに、何故か心はからっぽ。美波は仲良しだった洋生くんに会いに行きます…。大きなストーリーがあるわけでもない。でも、美波と洋生くんのやりとりがとてもいいんです。一見、意味がないようで、二人の想いが溢れています。洋生くんの少ない言葉の裏の、素朴な優しさが凄く素敵。爽やかな、夏の思い出の物語。2023/05/13
ぶんこ
40
南の島から東京に引っ越すことになった小学2年の美波ちゃん。同じ2年生の1番の仲良し洋生君がお別れ会に来なかったので会いに行きました。大勢の人のいる会が苦手な洋生君ですが、引っ越し日の飛行機は大丈夫だと言ったり、大きな雲の間でピカピカと光り続ける雷のようなものを一緒に見た時の「よげんだな、あの雲は」「東京でいいことあるっていうよげん」にウルウル。こんな素敵な言葉が出てくるなんて、いい子だなぁ。美波ちゃん、寂しいね。さよならは言いたくないから「ジョゼフィーヌ」と言ったのかな。素敵な絵本。2023/05/20
ツキノ
20
2021年6月発行。島を出て両親の生まれた東京に引っ越す2年生の美波の気持ちが描かれている。カラー絵が美しい。いつもいっしょに遊んでいた洋生はお別れに来なかった。美波から洋生のもとへ。洋生は人探しをしているという。それは「ジョセフィーヌ」。人間じゃないかも?洋生なりの気づかい、しんみりしない別れがいい。著者の長崎夏海さんは鹿児島の沖永良部島在住だそうです。(E212)2021/08/15
おはなし会 芽ぶっく
13
小学校2年生の美波は南の島から東京へ引っ越すことになった。荷物のなくなった家で思い出すのは、お別れ会に来なかった洋生のこと。美波は洋生を探しに出かけます。海に向かっていくと洋生と会い、二人はニワトリのジョセフィーヌを探したり、犬の散歩をしたりして過ごします。さよならの時間まで残り少なくなった時、美波は言えるでしょうか…。 『おすすめ!日本の子どもの本 2022』JBBY選 で紹介されている読みもの。2022/01/03
遠い日
11
沖縄あたりか、南国の小さな島から明日東京へ引っ越す二年生の美波。すっかり荷物が運び出されてがらんとした家、そしてお別れ会に来てくれなかった洋生に会いに行く美波。ふたりで過ごす最後の時間。いつもと同じように会話をしても、どれもみんな最後の思い出になってしまう。海も空も、大きな雲も土砂降りの雨も、今日でおしまい。洋生なりの思いやりを受け取った美波の気持ちは幼いながらも別れの切なさを包み込んで、思い出は全部宝箱に入れた。ジョゼフィーヌ、きっとふたりの胸の中にいるんだろうな。2021/07/26