出版社内容情報
デビュー作『つめたいよるに』に収められた名作「桃子」「鬼ばばあ」「草之丞の話」はじめ20代に次々発表した短編童話30余を網羅した作品集。ピュアな視点で世界をまっすぐ見つめる子らの生きざまを美しい言葉で綴られます。
内容説明
「草之丞の話」「デューク」「があこちゃん」etc.20代に溢れでた35作品。まっさらな子どもの視点から世界をみつめる童話集。
著者等紹介
江國香織[エクニカオリ]
1964年東京生まれ。87年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、89年「409ラドクリフ」でフェミナ賞受賞。童話や小説に、『こうばしい日々』(坪田譲治文学賞)、『きらきらひかる』(紫式部文学賞)、『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』(山本周五郎賞)、『号泣する準備はできていた』(直木賞)、『真昼なのに昏い部屋』(中央公論文芸賞)、『犬とハモニカ』(川端康成文学賞)、『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』(谷崎潤一郎賞)など、他に絵本などの翻訳多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
174
江國香織は、新作中心に読んでいる作家です。表紙の絵から児童書的な童話だと思って読み始めたのですが、実際は大人のための童話 掌編集でした。オススメは、『九月の庭』&『七月の卵』&『南ケ原団地A号棟』の3本です。2018/04/27
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
164
冬のプールにアイスクリーム、気持ちよく晴れた空が明らかに冬の色でないてしまう。ないてしまう。遠くにありて思う夏の夜。わた飴ふわふわあんず飴きらきら。着せてもらった浴衣からはもう脚がつんつるてんに出てしまうわ。今は自分で袖通す。満点の星のしたでポテトチップスひと袋あけてしまっても、もう誰にも怒られないの。少しさみしい。春の新緑、はっとするとりどりの躑躅にカスタードクリーム想うぽかぽか陽気、おさんぽはひとりもふたりも好きよ。あなたがいて、ここに私の孤独があって、絶望的にこうふくなのよわたし。2020/04/16
優希
94
ふわりと包まれる童話のような短編が心地良かったです。此方と彼方の間にいるような感覚が詰まっていました。瞬いている間に見える幻想の世界を慈しむように読む瞬間が好きです。2018/06/09
風眠
86
これは大人のための童話集。しんと冷たい静けさが漂っているのに、ほんのりと何かがぬくまっていくような。哀しみと希望、残酷さと優しさ、まぼろしと現実。真逆のようで、同じもの。同じもののようで、真逆。そんなふうに混沌としていて、理屈でもなくて。そんな矛盾だらけの複雑な感情にさざ波を起こす、魔法のような刹那。切ないような、懐かしいような、痛みのような、つかの間のまぼろし。この童話集は、やはり大人のためのものだ。大人だからこそ寂しくて、あらゆる矛盾を心に置いて、時々ほんの一瞬、まぼろしに出会う魔法にかかるための。2018/04/09
くろにゃんこ
47
童話・・・なのかな、短編がたくさんあって内容も様々なので読み応えあります。意外だったり、心温まったり、ちょっと不思議な話も(*^_^*)印象に残っているのは最初の愛犬デュークの話、これで心掴まれました。2018/04/23
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