内容説明
「それは、ほんとうのところ、信じられない話なのです」と、そのモグラは話しはじめた。「とてもモグラわざとは思えないことをやってのけたモグラの物語なのです」…聞くうちにぼくは、これが夢かどうかなんてもう考えてはいなかった。物語作家・岡田淳が、モグラ・ナンジから聞いた伝説を書き留めた―
著者等紹介
岡田淳[オカダジュン]
1947年兵庫県に生まれる。神戸大学教育学部美術科を卒業後、38年間小学校の図工教師をつとめる。1979年『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』で作家デビュー。その後、『放課後の時間割』(1981年日本児童文学者協会新人賞)『雨やどりはすべり台の下で』(1984年産経児童出版文化賞)『学校ウサギをつかまえろ』(1987年日本児童文学者協会賞)『扉のむこうの物語』(1988年赤い鳥文学賞)『星モグラサンジの伝説』(1991年産経児童出版文化賞推薦)『こそあどの森の物語』(全12巻1~3の3作品で1995年野間児童文芸賞、1998年国際アンデルセン賞オナーリスト選定)『願いのかなうまがり角』(2013年産経児童出版文化賞フジテレビ賞)など数多くの受賞作を生みだしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あおい
9
作家の僕の前に現れた人の言葉を話すモグラはこれから語る話を本にして欲しいという。すごいスピードで穴を掘り、岩をも砕いて食べ、空を飛ぶ…モグラの世界をはみ出したモグラのサンジの伝説を。奇想天外な楽しいお話。2024/09/25
つき
9
こんなことが起こったら、こういうタイトルがつくだろう『恐怖! 鉄食地下生物の怪!』2018/02/15
おゆ
8
小学生のころ大好きで何度も何度も読んだお話、長らく絶版だったものが新装版になって帰ってきた。思えばこれが岡田淳さんとの出会いで、いま読んでもこの人は本当にモグラと話ができるのではないかと思う。ご自身で手がけられた挿画も素晴らしい。ああ、おかえりサンジ、また逢えて本当に嬉しい!ものすごい速さで地中を掘り進むモグラのサンジ、出会ったものは何でも食べる彼をとりこにしたのは隕石の欠片。サンジの爆走ぶりを見るのは楽しいけれど、何よりも終章「それからも」が良い。息子がもう少しだけ大きくなったら、読んであげたいな。2018/09/01
かのん
5
小学生の時に好きだったおはなしです。読むたびにわくわくしながら、おはなしを聞いていた気がします。おもわず笑ってしまうようなところも好きだったのかな?2017/11/11
オドンチメグ
4
素敵に楽しいお話だった。 モグラから話を聞いたっていう体で物語っていくのが最高に素敵で、読者(主に小さな子供)を楽しませようとする作者の気持ちや人となりが伝わってくる。もしかして岡田淳さんはほんとうにモグラから話を聞いたんでは?と思えてしまう。 岡田淳さんが描いた挿絵もとてもかわいい。星は鉄の味がして、でも美味しいのか。いいな。2018/07/09