内容説明
薫大将は亡くなった大君の面影をもとめ、異母妹の娘に惹かれます。匂宮はその浮舟と偶然にも会ってしまい…。二人の男性の思いに、浮舟はある決心をします。意外な展開とともに、人の世の計り知れない深みをまとう物語のラストです。勾玉シリーズ、RDGシリーズの荻原規子によるスピード感あふれる新訳。
著者等紹介
荻原規子[オギワラノリコ]
東京に生まれる。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で、産経児童出版文化賞・JR賞、日本児童文学者協会賞、小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
47
老文学少女と不良文学老人に「子供用ので宇治十帖を読んでいる」と言ったら「それで十分。漫画でもいいから読んでおきなさい」と褒められたので後編も。なんか拍子抜けで終わってしまいました。本編より楽しく読んだのに。源氏物語本編が徹頭徹尾母恋の文学であるなら、この宇治十帖は欲しいものは一体何なのか?を問う様でした。この時代は妻を複数持つことは何ら罪ではないのだけれど、なんとなく最近はやりの不倫物のドラマと根っこの部分は同じなのかなーと思いました。私ならどうするかなーとか烏滸がましくも考えたりして、楽しいひと時でした2017/06/27
ユウユウ
46
さすが、誰にも共感し難い「宇治十帖」。『更級日記』の中で浮舟に憧れるとある気持ちがさっぱりわからない泣いてばかりのお姫様に、何をも恐れなさすぎる軽い肉食系皇子様、下心ありまくりなのに真面目ぶってる自分かわいそうと酔っている大貴族様。ああ、もやっとする。と言いながら読んでしまうのですね、源氏物語って。2017/10/21
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
38
荻原規子の宇治十帖完結♪「紫の結び」と違って歪んだ恋路をひたすら辿っていく感じでした。宇治という呪われたような地で起こる男女の関係。大君から始まって〈人形〉とされた浮舟。どちらも臨んだことではないのに只々、男性に翻弄させられて選んだ道は・・・。当時の女性は自分だけではどうにもならないことが起こるので世間を気にして俗世にはいられなくなった人が多かったのだろうか。このように平安時代の多くを知ることができる『源氏物語』は何度でも読みたくなる。 2017/10/21
Norico
20
荻原規子さん版源氏物語、読了。薫のねじ曲がり度が興味深くて、割とスムーズに読めた。浮舟はかわいそうすぎ。2019/05/02
わむう
16
シリーズ完結。薫の屈折した性格がどうも浮舟を苦しめます。2018/09/01