スラよみ!現代語訳名作シリーズ
堕落論

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  • サイズ B6判/ページ数 172p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784652200674
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0393

出版社内容情報

義士も聖女も堕落せよ。健全な道徳を脱ぎ捨てよう。そこから戦後日本が始まる。敗戦直後、混迷する日本中を熱狂させた『堕落論』『続堕落論』はじめ、坂口安吾の世界をいま読み解く。

内容説明

戦争は終わった。そして、人間が始まったのだ!!敗戦直後に、日本中を熱狂させた坂口安吾の世界を、いま読み解く。註釈なしでもすらすら読めて面白い!

目次

堕落論
続堕落論
日本文化私観
FARCEに就て
風博士

著者等紹介

松尾清貴[マツオキヨタカ]
1976年福岡県生まれ。国立北九州工業高等専門学校中退後、ニューヨークに在住。帰国後、国内外を転々としながら小説を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

232
日本国民の皆さん、私は皆さんに、日本人と日本そのものの堕落を叫ぶ。私たちは「健全な道徳」から堕落することによって、真実の人間へ復帰しなければならない。常識を疑い、固定観念を嘲笑い、心の偏狭を批判する。熱く激しく。日本文化私観の京都・秀吉論は凄まじいです。安吾なら、今の日本をどう論撃するんだろう。2021/02/13

えみ

46
2割共感、1割理解、7割疑問。戦後の日本の人間の在り方を書き、読者を熱狂させた坂口安吾の『堕落論』をはじめ、隠さずありのままの人間であることを勧める『続堕落論』。そして美・精神・透明な究明、追及に言及した『日本文化私観』『FARCEに就いて』『風博士』。代表的な5作品を読めば坂口安吾という人物を理解できるようになるかもしれないと期待していたけれど、更に彼に対して謎が深まっていった…どころか、なんだか闇を覗いてしまった気がする。彼も当時の文豪達同様、積年の“世の儚さ”に晒されて鬱屈した暮らししていたのかな。2025/01/26

黒猫

27
「義士も聖女も堕落せよ。そこから戦後日本が始まる。」で有名な「堕落論」。天皇陛下を賛美し、天皇陛下を守るために戦地に行く、または古来の赤穂浪士の一例や日本の武士道。これら全てのことをまやかしだと指摘し、「人には美しいものを美しいままで終わらせたい」という願いがあり、著者自身も姪の自殺に「美しいうちに死んでくれて良かったような気がする」と語る。死の美化は今もある。一方60歳の軍人が生に執着し法廷に入ってゆくことも理解する。堕ちることで人間の証明をする。戦後において、民衆の聖書と支持される理由がわかる。2018/07/04

テツ

21
堕落論を始めとした坂口安吾のこれぞ無頼派的な文章を解りやすく読みやすく現代語に合わせて収録された一冊。当然内容は変わらず坂口安吾で満ちている。安吾の無頼的な文章と思想からどうしたって透けて見える人間への希望と愛。人間は落ちきることなんて出来ないと言い切ってしまう人間という存在への信頼。読んでいるとダメ人間な自分という存在にも微かに希望を抱けるような気がしてくる。人間はどん底に落ちて汚泥と悲しみに塗れてもきっと美しい何かを発見出来るんだろう。安吾好きだなやっぱり。2016/10/28

ここぽぽ

18
この本は読みやすかった。読書メーターで、色んな出版社からでているのを知った。戦争について、天皇制について、日本人を日本人たらしめているもの、よくわからないながら、文章がのびのびとしていて、自由に述べていると思った。渋いと思う。2025/06/10

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