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出版社内容情報
暗闇の奥になにかがいる。
そう、邪悪で恐ろしいなにかが・・・
呪われた館をめぐる超・怖い話。
19世紀のイギリス。
孤児になった少年マイケルは、謎の後見人が住む
ホートン・ミア館でクリスマスを過ごすことになった。
館には、スティーブン卿と美しい妹シャーロットが
暮らしていた。やがて、マイケルはこの館をさまよう
幽霊を見るようになる。そして、この館に伝わる悲しく
恐ろしい物語を知らされていく―。
内容説明
ホートン・ミア館に向かう馬車にゆられながらぼくは泣きたい気持ちになっていた。知らない人といっしょに、クリスマスを過ごすなんていやだ。そう思いながら、ぼんやり窓の外をながめているときふと、闇の中に女の顔が浮かびあがった。その女はずぶ濡れで、着ているのは薄いスリップだけ。そして、ぼくに何かをうったえるように叫んでいた…。
著者等紹介
プリーストリー,クリス[プリーストリー,クリス][Priestley,Chris]
長年、イラストレーター、漫画家として活躍。2000年に作家としてデビューして以来、子ども向けのノンフィクションや小説を多数発表してきた。2004年には『Death and the Arrow』がエドガー賞ヤングアダルト部門にノミネートされた
西田佳子[ニシダヨシコ]
翻訳家。東京在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
75
訳あってクリスマスを知らない人の家で過ごさなくてはならなくなったマイケル。その館へ向かう途中、助けを求める女性を見かけ・・。俗にゴシックホラーと呼ばれるものが実際にどういった作品を指すのかは分かりませんが、私がイメージするゴシックホラーはこの小説でした。ガス燈の灯りではなく、もちろん電気でもないロウソクの灯り。そういったシチュエーションだけで何者かが忍び寄ってくるような予感がします。短編ホラーとはまた違った面白さがありました。★★★★2013/04/15
眠る山猫屋
62
プリーストリーのこのシリーズ、最終巻になるのかな?今回は長編。母を亡くしたマイケル少年は、薄ら寒い湖沼地帯にそびえるホートン・ミア館に招かれる。まるで城、そして謎めいた曰く付きの館に。孤独を拗らせているマイケルは、そこで様々な怪異に遭遇する。後半までは孤独に苦しむマイケルの描写、明かされない怪異の正体に若干辟易させられたが、思いの外暖かい館の人々との絆が芽生えるに従って物語は面白くなっていく。マイケルにしか見えない幽霊を信じた弁護士ジャーウッド、頼りになる執事や優しいメイドたち。そして(続)2023/08/22
とろこ
61
児童書だからか、私がグロやエグやエロに慣れきってしまった為か、全く怖くなかった。同じ描写の繰り返しで冗長に感じるところも多かった。が、19世紀のイギリスを舞台にしたゴシックホラーは、子どもの頃に読んでいれば楽しめたかもしれない。自分の言うことを信じてくれる人がいない、という状況のほうが、その他諸々の現象よりも怖かった。そして、ラストに納得がいかなかった。が、ジャーウッドさんがいい人で、ホッジズに漢気がある点はとても良かった。2018/04/27
星落秋風五丈原
49
どなたかも言ってたけどスーザン・ヒル『黒衣の女』みたい。長編もの。本当に怖いのは生きている人間。何ですかこの終わり方は。きゃーにげて。2018/03/18
かりさ
48
英国の古い館ホートン・ミア館で次々起きる怪異な出来事…冒頭で語り出す私の邪悪な記憶が紡ぐ幻影はやがて恐ろしい正体へと導かれます。深い影と闇に棲むモノとは…。児童書ながら重厚で上質な英国ゴシックホラー。他、クリス・プリーストリー怖い話シリーズ、『モンタギューおじさんの怖い話』『船乗りサッカレーの怖い話』『トンネルに消えた女の怖い話』は児童書ながら児童向けなどという甘さはなく、救いようのない話ばかり…怖くて残酷な物語は哀しみにも彩られます。デイヴィッド・ロバーツの装画が素敵です。2020/07/19