出版社内容情報
大人は信用できない。妹は邪魔くさい。――不機嫌さの裏に、ナイーブさと素直さを隠し持つ少女の感性を鮮やかに描く連作小説集。 小学校高学年~中学生
内容説明
なんの約束もなしにこの世に生まれたことが、たよりなくてしかたがないときがある。―大人と子供のはざまの時間。不安と幸福が隣り合わせだった。大人と子供のはざまの時間を切りとる安東みきえ待望の単行本。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mike
76
ミオは小学生。口うるさいお母さんはムカつくし妹は邪魔くさい。いちいち腹が立つけどやっぱり大好きで…日替わりでコロコロ変わる自分の心を持て余しながらも、ちっちゃな事に胸を踊らせ、落ち込んでもまた立ち直りながら少しずつ大人になって行く。そんなミオに遠い遠い自分の子ども時代を重ねてみる。家と学校とご近所さんが世界の全てだったなあ…暫し郷愁に浸りたくなる短編集だった。2024/03/23
ぶんこ
53
ピンポンダッシュ、小さい頃姉と弟と一緒にやったなぁ。 最高のスリルだった。 大人になって、我が家もピンポンダッシュやられた。 懐かしかった。 小5のミオちゃんの日常。 お母さんのしつこさ、あるある。 小学校の頃が懐かしく思い出されました。 ミオちゃんの真面目さ、健気さにウルウル。 カニさんからのハガキが最高でした。 素敵なトラック運転手のお姉さん。2015/04/10
tokotoko
52
主人公は小学5年生のミオちゃんと、妹のヒナコちゃん。6つのお話の中で、いろんな人達と出会います。子どものごくごく日常の思いや、子ども空間に流れる独特の空気を大切に、上手に捉えてあります。きっと大人の方は、「こんなこともあったなぁ」って懐かしい気持ちになると思います。お子さん達は、「わかる、わかる」って共感できると思います。成長真っ只中の子ども達の、ワガママに見えるけど、実は不器用な優しさや一生懸命さを見つけてね。「この時期にしかない可愛さ」を、楽しんでね!2014/07/19
ミーコ
47
安東さん 3冊め。姉妹の煩わしさ 母親への苛立ち? 私自身が三姉妹の真ん中なので 妹でもあり姉でもある。姉の気持ちも妹の気持ちも分かる~って所が多々。。。 『ラッキーデイ』と『マチンバ』が良かったです。2016/05/31
野のこ
38
ミオの心模様がぎゅーっと締め付けられる感じ。「ヒトってすごいね、キズをおおってなおしてくれるものがちゃんとあらわれるんだから」と保育の先生のことばを思い出すシーンにうんうん頑張れー!ってなった。考え方の切り替えに気づいたミオの成長はラッキーデー。またトラックの人はほんとうにミオが妹のために渡した毛ガニを海にかえしたのかなぁ?と、腹黒い気持ちで考えてしまいました。素敵なお話なのに、いかんいかん私。ピュアな心がほしい! 2017/11/29