出版社内容情報
鳩撃ち大会で活躍するのがひねり屋。死にそこなった鳩の首をひねる少年たちだ。しかしパーマーはその役目がいやでたまらない…。 小学校高学年~中学生
内容説明
ウェイマー発、鳩は白い木箱につめられている。箱に取りつけられたロープでふたが開閉され、一羽ずつシューターの前に解き放たれる。ほとんどの鳩は撃ち落とされる。地面に落ちた鳩は「ひねり屋」とよばれる少年たちによって回収される。少年の孤独な成長。衝撃的サスペンス。98年度ニューベリー賞オナー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
23
ゴーイングマイウェイをつき進む主人公達を美化する事なく描き続ける著者は、簡単なハッピーエンドに逃げ込まない。事なかれ主義者少年パーマーの、無駄な、そして痛々しい足掻きを描き続ける。気が強いわけでもないし、しっかり者でもない。何かをやらかそうというタイプには程遠い彼に、特別な武器があるわけではない。そんな彼が、心の中に生まれた小さな暖かさを守るため、町を向こうに回して「No!」と言う。それが、どんなに大変な事なのか気づいた時、パーマーの成長と共に、この少年の小さな勇気に脱帽せずにはいられない。2000/01/02
みー
10
こんなに酷いテーマがあるだろうか。参加費用を取って、5千羽の鳩を撃ち殺す催事があり、殺し損ねた鳩たちは幼い少年たちの手によって捻り殺される・・。捻り屋になる事に憧れを感じる少年と、なぜそんな事をする必要があるのか?疑問を持ち、捻り屋になりたくないと思う少年。しかし町は、毎年の催事のその行事に何の疑問も持たない。それを当たり前のように歓迎する町民達。怖いデス。狭いコミュニティーの中で、異分子となり行き場を無くしていく少年の姿が、とても痛々しい。しかし、温かい家族で良かった。最後は号泣。とても良いYA小説!2015/09/09
名美
3
訳者あとがきに、鳩撃ち大会は現実にアメリカのある町で行われているそうです、と。原作は21年前、邦訳は19年前。すでに過去のことであってほしいと思う。 万物の霊長(なんだそりゃ)である人間が、勝手な大義名分のもとに鳩を殺す、子供たちも誇らしくその一端を担う。どう考えても胸糞な町に住むパーマーをぎゅっと抱きしめたい(そこは彼の両親がちゃんと見守ってくれてたのでホッとした)。2018/11/23
春
3
現実にあるお祭りなのだと後書きに書いてあり、とても驚きました。こんな事が当たり前の町って、とても怖いなと思います。主人公が、自分の考えを貫いたところが、とても素敵だと思いました。家族の温かさも感じました。良い本だと思います。2014/12/16
ケロたん
2
空手道場に鳩が住み着き、糞などの被害に怒った館長が、粘着シートで鳩を捕獲。たまたま早めに練習に来た私に館長が「絞めろ!」 目をつむりながら言われるがまま行いました。2016/02/05