内容説明
おじいちゃんは自然の声を聞けるんだ。「ジェムレは、春のしるしのようなものだ」というけれど、今年の春のしるしは、まだ?日本からはるか1万キロ西の高原で春を待つ―自然と人のかかわりを考える。
著者等紹介
小林豊[コバヤシユタカ]
1946年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業後、イギリス留学中に画家を志す。79年日展初出品で入選。83年上野の森美術館特別優秀賞受賞。1970年から中東やアジアのイスラム諸国をたびたび訪れる。異文化をあたたかく描いた作品は、世界的に高い評価を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
トルコ共和国(絵本の時点では、アナトリア高原)に住むヒツジ飼いの少年の暮らしや雨ごいの儀式などを紹介している。2023/04/25
紅花
7
自然と共に暮らす人々を、羊飼いの少年と共に描く。素朴なお話でもあり、幻想的でもある。やや長め。素晴らしいお話だけど、低学年には難しいと思う子がいるかな?2015/07/04
いっちゃん
6
雨乞いかぁ。科学的に今なら証明できるんやろうな、こういう迷信きらいじゃない2014/04/26
ナハチガル
4
絵はまさに日本人が描いたような感じだが、語りがまるでその国で生活している人のもののようなので、途中で思わず作者を確認した。日本人が1人で作った絵本であることにあらためて驚いた。羊を飼う昔からの生活と、どこか遠くにある現代的な都会の生活とが、交わりながら反発しあわずにこの世界で見事に同居している。風と匂いが印象に残る。A。2015/06/08
遠い日
4
小林豊さんも、村のシリーズも久しぶり。どの本も故郷や家族を愛する気持ちに溢れていて、素朴なその心情に打たれる。トルコのアナトリア高原の村に春を告げるジェムレ。南の空気を連れてくる春の嵐と、雨乞いの儀式の厳かさが描かれる。オルタン少年の、祖父への揺るぎない信頼に、累々と受け継がれてきた家族の在り方をみる。ほんの数行だが、先日読んだばかりのエルトゥールル号の遭難事故とトルコ、日本の関わりが出てきてその小さなシンクロに驚く。ジェムレがおりて、オルタンの村はまさに春を迎えた喜びで、いっぱいだ。2013/07/22
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