著者等紹介
岡野大嗣[オカノダイジ]
1980年、大阪府生まれ。歌人。2014年に第一歌集『サイレンと犀』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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だいだい(橙)
25
木下龍也さんの歌集で知られているナナロク社からの出版。木下さんの「オールアラウンドユー」と同じサイズ感だが、フォントが小さく1ページに3首程度入っているので読みごたえがある。パートナーとの関係が上手くいってる感じの日常生活が描かれており、幸せいっぱいの短歌が並ぶ。もちろんいい歌が多いが、前作に比べて流れがやや単調でもある。イラストもなく短歌のみの直球勝負なら、新しい分野に挑戦してほしかったかな?それは次作に期待しつつ、今作ではハッピーな時間をもらって、ありがとう。2023/04/09
ayumii
20
一行の言葉に込められている情景や気持ちは様々で、ページをめくるたびに新しい発見がある。さらさらと文字を追ってきて最後まで読んだ今は、晴れやかな気持ち。2024/11/23
水色系
19
[つらいね、のいいねをつける これしきのことで救った気になって消す][音楽は水だと思っているひとに教えてもらう美しい水] ささやかなやさしさ。切なさ。日常の絶望感。そういう色々がつまっている。岡野さんの短歌を読むと、いつもandymoriを聴きたくなる。2022/01/22
ちぇけら
18
行かなくていいやと言った対バンに行ったひとらの熱いツイート。ライブが終わった夜、ツアーTシャツに滲んだ汗は、いつまでも冷めなかった。ドラムから始まるイントロ、それを追うように弾かれるベースライン、ギターと同時に飛び込んでくる歌声、ライブが終わっても、音楽はいつまでも耳の奥で鳴り止まなくて、国道沿いを歩くぼくがミュージック・ビデオの主人公みたいに思えた。ライブの高揚感と、それが過去になってしまったことの寂寥感が入り混じった春の夜。すべてのrock 'n' rollを愛するひとに向けた31音のラブ・レターだ。2022/04/17
のっぽ
10
ライブ、映画に関する短歌が多く、どことなく都会の空気感が漂う歌集。同年代かなと思ったら10歳ほど年上。感性が若い。以下、好きな歌→きみが好きだったシーンを語るのを映画の続きみたいにみてる/いま会ったみたいに顔を見合わせるエンドロールのエンドの明けに/字幕だけ流れるシーンみたいだね電気を消してしゃべってる夜/タイトルを端から眺めていく時間 好きも嫌いもまだないままに/坂道に眺めが深くひらいてくバスから街が生まれるように2023/03/11