内容説明
海を、そして人間を深く愛した詩人、川崎洋の作品を数多く収録しました。
目次
いま始まる新しいいま(いま始まる新しいいま;新緑;地下水 ほか)
海がある(海;遠い海;海がある ほか)
ジョギングの唄(こもりうた;抹殺;五月 ほか)
愛の定義(ことば;美の遊び歌;ウソ ほか)
著者等紹介
川崎洋[カワサキヒロシ]
1930年東京生まれ。詩人としての他、テレビ、映画等のシナリオライターとしても活躍。2004年10月没
今成敏夫[イマナリトシオ]
1947年群馬県生まれ。愛知教育大学美術科卒。主に風景画を描き、テレビCMやカレンダー、ポスターなどを多く手掛ける
水内喜久雄[ミズウチキクオ]
1951年福岡県生まれ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろちゃん
52
「はくちょう」が好き。見つめられるとくだかれそうになる。「ことば」も好き。山という字は山そのものから、川という字は川そのものから生まれたのですよ。2015/11/24
へくとぱすかる
27
むずかしい理屈はさておき、ひたすら明るい詩を多数収録。海がテーマであることで、大らかさ、やさしさを感じさせる作品が多く、心安まる本。久しぶりに詩集を読んだが、ことばの繊細さ、そして詩というもので、ここまできめ細やかなことが言えるのかと感動。何もむずかしい言葉を使うわけではなく、こういう表現ができるというのは、詩人の力量と、そしてことばというものの本来持っている豊かさなのだろう。果たしてぼくらは、日常のなかで、ことばの世界からどれほど美しさを引き出せているのだろう。ここに、改めて新鮮さに引かれるものがある。2015/08/04
新田新一
20
川崎洋は本当に好きな詩人で、亡くなった時は寂しい想いをしました。生涯にわたって瑞々しい詩を書き続けた人で、それを読むと心が浄化されます。この詩集は代表作の「はくちょう」なども収録されていますが、若い人向けの詩が多いです。一番最初に載っている「いま始まる新しいいま」を読んで、擦り切れかかった自分の中の希望が蘇る気がしました。どんな時でも新しい今があり、その今の中で私は生きなおすことができる、という明るさに励まされます。これから時々読み返そうと思います。2024/10/13
じょうこ
8
前回読んだ覚和歌子さん本が「海のような大人になる」。川崎洋さん本が「海があるということは」。覚さんは精神的な感じ、川崎さんは観察的、定義的。当たり前のことだけど、同じ海でも全然違う。本書で私が特に好きだったのは「ジョギングの唄」と「筋肉」。肉体願望があるのかな? ワークアウトが楽しく頑張れそう。2024/05/25
のん@絵本童話専門
3
ねっとりとガツンと重たい詩人もいれば、みずみずしくて透明感ある詩人もいる中で、川崎洋さんの私の印象は後者!許しましょうソングがとりわけ好きだったなあ。老人に席を譲るのは当たり前!と思われているけれど、常識も考え方次第では揺らぐ。私も偏屈なので、世の中の当たり前を疑いたいんだなあ〜。高学年〜2024/10/30