内容説明
ときに力強く、ときに優しく、いとおしさを表現する新川和江の作品集。「名づけられた葉」「詩作」「歌」「可能性」「ふゆのさくら」ほか全30編。
目次
わたしの中にも(元旦;自然よ;呼ぶ;日々あたらしく ほか)
可能性(赤ちゃんに寄す;歌;いつですか?;可能性 ほか)
生きる理由(教えてくださいどこにいればいいのか;ヒロシマの水;その朝も;長十郎の村 ほか)
著者等紹介
新川和江[シンカワカズエ]
1929年茨城県生まれ。戦時中、疎開してきた西条八十と出会い、以後数多くの作品を発表する。『ローマの秋・その他』(思潮社)で第5回室生犀星賞受賞
水内喜久雄[ミズウチキクオ]
1951年福岡県生まれ
内田新哉[ウチダシンヤ]
1960年熊本県生まれ。愛知教育大学美術科卒業。繊細でさわやかな風景画で人気を博し、1990年に画集「IMAGINE」を刊行。その後も「澄んだ瞳のおくに」など多くの画集を発表している
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感想・レビュー
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新田新一
30
私は新川さんの詩が好きで、これまで何冊も詩集を読みました。最近亡くなったので、追悼の意味でこの詩集を手に取りました。代表作の「わたしを束ねないで」も収録されています。この詩は、今回読み返して改めて深い感動を覚えました。おおらかで伸びやかで、深い愛を感じる新川さんの詩を読むと、委縮していて心がぱっと広がって、光が差し込んでくる気がします。新川さんの詩が描く愛は、男女間の愛を超えて、この地球を丸ごと包み込んでしまうような優しさがあります。多分これが母性というもので、この世を根本のところで支えているものです。2024/09/08
kameyomi
16
新川和江さんを偲んで。新川さんの詩は上品だ。文字を追うと美しい水が体に染み込んで来る様に感じる。「深い思想を平易な言葉で書くこと。でも、ことばと長くつきあって、自分のことばにしてゆくのでなければ…。」とおっしゃっている。「わたしを束ねないで」は、丁度子育てで大変な頃読み、元気付けられた。それから自分の基調となっている。新川和江さん、ありがとうございました。 2024/08/29
himawarisun6
1
教科書で読んだ詩「私を束ねないで」が社会人になっても忘れられず、本屋を探し回って購入した。 やはり上記の詩が一番好きだが、作者の他の作品を知ったことで違った視点で詩を見ることができたと思う。また、初めて買った詩集でもありとても思い出深い一冊。
Tonex
0
解説に書かれてあった、自分の詩の解釈について出された入試の質問に本人が答えられなかったというエピソード。いろんなことを考えさせられる。2013/07/27