出版社内容情報
少年の日のある日曜の朝、ぼくは久世山へ向った。そこで死んだはずの〈友だち〉と出会うことに…。不思議の世界へ迷いこんだ日々。 小学校高学年~中学生
内容説明
ぼくは…どこにいたんだろう?それは遠い記憶のなかにかがやいている“秘密の一日”ぼくだけが知っている物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わっぱっぱ
27
2017年は収穫の年になった。読書に関しては斉藤洋もその一つ。こういう出逢いの価値(意味)って、時間が経てばもっと強く感じるんだろうな。あるいはもっと違って見えるのかな。ぼくが体験した日曜の朝や、私を訪れたあの冬の一日も。 時間が意識を可能にするんだって、「さよなら」はお終いのことじゃないって、わかる今だから優しい気持ちで読める。いつかのあなたを好きでいられる。2017/12/19
Margate
3
テーマ(?)のわりには サッパリとしていて 読みやすかった。 さすが子供たち向けの本です♪ 大人になった「ぼく」が ふとした事から 小学5年生の 「ある日」の出来事を 思い出す。 まるで 宮沢賢治の童話を 読んでいるかのような 錯覚を覚えました。 言葉遣いが 丁寧なので 気持ちよいです。 見習わねば・・・ 2003/08/16 (SAT)
マルチーズ署長
2
斉藤さんの不思議系の児童書が好きです。バスを待っている大人の「わたし」はふいに40年近く忘れていた不思議な記憶を思い出す。模擬試験を受けに行くふりをして向かった久世山。ロープなしで浮かぶ無人のロープウェイ。話をするナマズ。まるであの世みたいな山の上での奇妙な時間。屋根の上で一緒にいた友達って、一体なんだったんだろう。2023/01/22
いよの缶詰め
2
主人公が中学生の時に体験した奇妙な一日。桜も百合も嫌いって、どんだけやねん! と突っ込みたくなった。なんだか不思議の国のアリスみたいな感じもするし、ふわっと『銀河鉄道の夜』が顔を出す(全然違うのに)。最後、「もしも、自分が彼についていけば…」とあったのは、あの日別れた友だちに会いたかったのかな。と感じてしまう。2020/10/08
こまっちゃん
2
不思議でいっぱいの楽しいお話。でも、お友達が誰なのか分かったらちょっと泣けました。2014/02/22