内容説明
ロバートがやっきたとき、私たちの心は波立った! あんなにすてきな友の出現に、私たちはなぜおどろいたのだろう? 私たちの何が彼をこばもうとしたのだろう? 彼をめぐって私たちが心に噴出したのは、ドスぐろい血のように、私たちの体質に根ざしている差別感であり、偏狭さであり、思いあがりであり……それらはすべて、父たちが、母たちが、既に心に宿していた感情ではないか? それを乗り越えることができるか。ほんとうに自覚することができるか。私たちは、その課題にまっすぐ取り組むべき世代なのだろう。若い世代の「いじめ」や「自殺」の底に、深く深くひそんでいる「差別」の根源を考えさせてくれるような作品が生まれた。