内容説明
空間と時間がねじれた「むこうの世界」でさまよう行也たち―こちらへもどるための扉はもうないのだろうか。「こそあどの森の物語」シリーズで人気の岡田淳による大長編ファンタジー。
著者等紹介
岡田淳[オカダジュン]
1947年兵庫県に生まれる。神戸大学教育部美術科を卒業、西宮市内で教師をつとめる。1981年『放課後の時間割』(偕成社)で日本児童文学者協会新人賞。1984年『雨やどりはすべり台の下で』(偕成社)でサンケイ児童出版文化賞。1987年『学校ウサギをつかまえろ』(偕成社)で日本児童文学者協会賞。1988年『扉のむこうの物語』(理論社)で赤い鳥文学賞。1991年『星モグラサンジの伝説』(理論社)でサンケイ児童出版文化賞推薦。1995年「こそあどの森の物語」(理論社)1~3の三作品で野間児童文芸賞。1998年「こそあどの森の物語」1~3の三作品が国際アンデルセン賞オナーリストに選定される
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
千穂
36
冬休みの宿題に物語作りをしようと決めた小6の行也。お父さんの勤務している小学校の階段下の倉庫でこの学校の卒業生という喫茶店のママ(この設定がすごい)に会って冒険が始まる。夢か現かというようなファンタジー。ピエロとの友情、ママ子ども時代の知恵ちゃんとのロマンス。五十音表が謎解というのも小学生らしくてよい。岡田さん描く繊細な挿絵も素敵。楽しかった。2017/07/01
coco
32
学校の宿題で物語を作ることにした少年・行也。ふとしたきっかけで作っていた物語の中に入り込んでしまい、元の世界に戻る方法を探していくファンタジー。ピンチあり、ホロリとするところあり、少しダークな部分もあり、初版が1987年とは思えないぐらい今読んでも違和感がなく、面白かった。ワクワク・ドキドキの読書時間でした。2015/07/01
小夜風
26
【図書館】読んでいて驚いたのは、行也と私、同級生だわ(笑)!小学校の階段下の倉庫とか、あ~何かそんな部屋があったかも~って、懐かしく思い出しながら読みました。冬休みの宿題で「物語を作る」と決めた行也が集めていくヒントがどれも面白く、創作のヒントって身の周りにこんなにたくさんあるんだって気づかされます。結構ハードなファンタジーで暴力的な場面もあるので、夢のような……というよりは悪夢の世界でしたね。夢オチだったら嫌だなって思ったけど、時間の使い方とかも意外で、楽しく読めました。2015/12/15
グーミリア
21
初読みの作家さん。うん、すごく面白い。一度読み始めると止まらない。内容も読みやすいし冒険できるし、なかなかだと思います。意外と深いし、作品を通して色々なことを訴えている気がします。そして、読了後の達成感がすごい。自分も冒険して帰って来たみたい。また読み返したい。2015/03/04
ブナ太郎
18
小学生の時に読んで以来の再読。当時、字が小さくて、こんなに分厚い本をよく読めたなと感心したが、そこにはある秘密があった。読むのを止められない。ページをめくる手を止めることができない。止め時が一向に訪れない。なるほど、こんなにおもしろけりゃ、どんなに分厚くても何百ページあろうが、読めるわけだ。先の見えない展開、現実と架空世界との絶妙な交差、幾重にも張られた伏線、そしてまさかのタイムトラベル?これがファンタジーの傑作と呼ばずして、何を傑作と呼べばいいのかわからなくなるほど。面白くて、心が震えた。ファンタジー2011/10/10