内容説明
お茶のすきないるかとビールがすきなくじらが友達になった。ふたりは散歩したり、読書したり、手紙を書いたり、あこがれのパリに出かけたりします。ユーモアに満ちた友情の日々を詩と掌編でつづる。
著者等紹介
工藤直子[クドウナオコ]
1935年生まれ。1983年『てつがくのライオン』で、日本児童文学者協会新人賞、1985年『ともだちは海のにおい』で、サンケイ児童出版文化賞、1990年『ともだちは緑のにおい』で、芸術選奨文部大臣新人賞(いずれも理論社刊)、2004年これまでの仕事に対して、巌谷小波文芸賞を受賞する
長新太[チョウシンタ]
1927年、東京に生まれる。1959年『おしゃべりなたまごやき』(福音館書店)で文芸春秋漫画賞を受賞。以後、講談社出版文化賞、絵本にっぽん大賞、小学館絵画賞、巌谷小波文芸賞、路傍の石幼少年文学賞などを受賞する
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感想・レビュー
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(C17H26O4)
76
のーんびりとひなたぼっこしているみたいないーい気持ち。海が、波が溶かしてくれる。きゅうくつだった心がゆるーくほどけていく。くじらがいて、いるかがいて。こんにちは。いらっしゃい。おちゃをしよう。びーるもあるよ。あそんで、おしゃべりして。またね、またあした。海のはじまりは、塩からいなみだなのだって。喜びも悲しみもおどろきも誇りもみんな溶けているのだって。それがいつのまにか泳ぐものたちでにぎやかな海に。海は海のままに。2019/06/17
hirune
57
各ページにたくさんホッコリが詰まってました☆アウトドア派のいるかとインドア派のくじら、二人は相手の良いところを自分の良いところとおんなじくらいすごいなぁと認めてかけがえのない友だちになりました。愛が溢れていて、ノンビリ味わうと心が温まりますよ。体操の白井選手並みの いるか三十六回転 をぜひ見てみたいなぁ^ ^2015/08/25
けんとまん1007
56
ともだち。ふんわり、やんわり、いつも相手を思う気持ち。一緒にいる時も、そうなでない時も、相手を思いやる。子どもの頃、いろんなことをして、いっぱい遊んだ記憶が蘇る。こんな気持ちになれるといいなあ~。2018/08/14
ハナコ
40
広い海、星がたくさんの晩にいるかとくじらは出会った…とても気の合う二人、好きなものは違っても、分身のように仲良し。くじらがパリに行くのは驚いたけど、お土産を素直に「ちょうだい。」といういるかの表現が可愛くて。くじらのメモや、はがきもまた可愛い。いるかが寂しい時になででくれるくじら。素敵だなぁ…心の海に、いるかとくじら両方に住んでもらうのもいいかもしれない。この本に出会えてよかった。2017/08/06
anne@灯れ松明の火
36
読友さんご紹介で気になった。でも、書庫から出してもらうのはな~と思っていたら、テーマコーナーに出ていた♪ てっきり詩集だと思っていたが、物語で、ところどころに詩が挟まれている。静かな海で出会った、詩とビールが好きな「くじら」とオシャレで体操好きな「いるか」の友情物語。のんびり、ふんわりしたふたりの会話や行動が、たまらなくいい。靴を履いて歩くという、くじら離れした行動も出てきて、驚かされる(笑) 長新太さんの挿し絵がまた味わい深い。今ごろだけど、工藤さんのこの手の童話をもっと読みたい。2020/07/02