内容説明
言えないもどかしさに耐えられないから絵を描くのかもしれない うたをうたうのかもしれない。今、もう一度振り返ってみると、深き淵には、澄んだ美しい水が湧き出ていたような気がします。この本は新しい私の出発点です。
目次
1 哀しみの青い空(’70・6・17~6・20)
2 母を道づれに(’70・6・21~8・30)
3 重荷を背負った人々(’70・9~’72・2)
4 字を書きたい!(’72・3~’73・6)
5 絶望のはてに(’73・7・10~’74・12・21)
6 詩画に明日を託して(’75・3~’78・10)
7 新たな旅立ちの日(’78・4~’79・9)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
48
高校生の頃、LHRの読書会で読んで以来の再読です。星野富弘さんのことは知ってはいましたが、改めて彼の言葉を読むと「分かった気」になっていただけだということを突きつけられました。星野さんが生きる証として文字を書きたいという想い。生きているのだから。涙腺が崩壊しそうなのを止めるのに必死でした。1人でいるときに読まないと危ないですね。2023/03/25
かよぴー
20
普通に呼吸が出来る有り難さ、食べて出して そんな当たり前のことが突然出来なくなった作者の、戸惑いや苦悩が包み隠さず書かれてます。夢に憧れて教師となった作者が、突然の事故で全身麻痺に。俺を見捨てる事が出来ない弱い母が、俺のそばにいて強くなったと言う作者。 もし1つでも動かせると言われたら、母の肩を叩いて上げたい、涙が込み上げました。人は諦めたら駄目ですね。目と口と希望が有れば出来ることも有るんですね。作者の素敵な作品に感動しました。2019/02/10
tara
19
25年前に読み今日再読。あの美しい花々に寄せる詩画が出来上がるまでどれ程の苦しみや絶望を味わわれたのだろう。ここに書ききれなかった壮絶な日々と、全てを彼に注ぎ込んだ母親の愛を思い涙が溢れた。 /神様がたった一度だけ / この腕を動かしてくださるとしたら /母の肩を叩かせてもらおう / 風に揺れるペンペン草を見ていたら / そんな日が本当に来るような気がした2016/04/09
rapo
8
何年ぶりかに再読。人はなんと身勝手で傲慢なことかと身につまされます。でもどんな状況でも希望を持って生きていける。星野さんの花の絵がそれを教えてくれます。2019/01/24
さく
6
1970年、体育の新任教師が放課後の模範演習中に事故に会う。一命は取り留めたものの首から下は動かなくなってしまった。口に筆をくわえ絵や詩を書き始め、退院するまでの9年間をまとめた著作。文字も大きくふりがな付き。出版元サイトでは“大人はもちろん小学校高学年~中・高生の必読書”と紹介されているので夏休み読書感想文の課題に。小学生は本好きでないと無理か…こどもたちよがんばれ。 偉い人について書かれた真面目な本という体裁であるが、弱音・本音やジョークに富弘さんの飾らないお人柄が滲みでていて大変読みやすかった。 2014/08/18