日野啓三短篇選集〈上〉

日野啓三短篇選集〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784643961119
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ベトナム戦争特派員から帰国後間もなくの初の小説「向う側」(単行本未収録)など、30年の足跡から著者自らが選んだ上下巻16篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

(C17H26O4)

83
ベトナム戦争時、新聞記者としてサイゴンにいた日野啓三。帰国後に書いた処女作から、がん闘病中、闘病後、本書出版時までの約三十年間の作品の流れを上下巻でごく簡単にではあるが追える。今回、上巻は未読だった「此岸の家」「天窓のあるガレージ」のみ読んだ。「此岸〜」は国際結婚をした夫婦の話。夫婦の関係の危機と妻の見ていた世界が境界であり向こう側という位置付けだろうか。此方側に話は終わる。【収録作】向う側/此岸の家/聖家族/天窓のあるガレージ/夢を走る/孤独なネコは黒い雪の夢をみる/七千万年の夜警/鏡面界/風を讃えよ2022/06/19

踊る猫

19
黙示録的な、崇高なものを感じた。良くも悪くも俗世間と距離を置き、独自の世界を構築しようとする意志に満ちていると思う(だから、口の悪い読者はこの世界を「スノッブ」と呼ぶかもしれない、と嫌なことを考えてしまった)。都市の中に化石を見出し、映画と現実の虚実の相違を小説を通して考察し、精霊の降臨を待つ。そうした現実を「異化」するものを積極的に受け容れ、現在に埋め込まれた未来の破片を読み取る。今でも生々しさは色褪せていない。例えばいとうせいこう『ノーライフキング』が好きな人ならこの雰囲気は合うのではないかと思われる2021/10/27

コウジ

0
やっと読み終わりました。多分、これに収録されている短編は、殆ど以前に読んだ事がありました。なので再読なのですが、正直に言って、良く分からない箇所(心象風景と曖昧な表現)等もあるのですが、読めちゃうんですよね。それはきっと、氏の文章その物が美しいからだと僕は思うのですが・・・世界感と言う意味でも。 「向こう側」「天蓋のあるガレージ」は未読だったので、しばらく経ったらもう1度読み返したいですね。 読書中、氏の他の小説も多数ある事を調べて、3冊程、購入したので、それについてもいずれ読みたいと思います。2012/09/12

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