内容説明
四十七士の美談の陰で、吉良上野介の孫、左兵衛は、諏訪高島城に幽閉され、「妖笛」(鉄の笛)で自害し果てた。生々しい悲劇を描く表題作ほか、9編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えも
14
著者お得意の幻想短編集。とは言え、妖美と呼ぶより、妖しくも哀しいと評するに適した作品ばかりであった。2015/12/05
影実
2
時代物の短編集。「妖笛」「七本桜」「殺生石」「二人静」「松虫」「小袖曽我」「夏一夜」「簪犬」「あらたま草紙」「灼紅譜」の10編を収録。結末を読者に委ねる様な描写が多く、どことなく幻想的な雰囲気がある。登場人物の情念を感じさせる「小袖曽我」、「夏一夜」が良い。普段は読まないタイプの作品が多く、なかなか楽しかった。2017/01/07
ni-ni-
2
時代小説の短篇集だが、これがまた非常によかった。どれも秀逸。百合もBLもある。2014/08/06
めにい
1
短編集。タイトルの作品は結末をこちらに選ばせるような感じでドキッとした。ただ、この著者のあでやかで怪しい雰囲気は短編なだけにあっさりしている。2012/01/12