内容説明
この回想記は著者の生い立ちから両親が逮補されるまでの少女時代の追想が主となっているが、随所に周辺の人々のその後の運命や戦中、戦後の出来事。サハロフ博士との生活の思い出が挿入されている。著者が描こうとしたのは、自分の生い立ちもさることながら、革命、粛清、戦争といった激動の時代を生きた人々の数奇な運命であった。とりわけ祖母、母、自分の三代の女の生き方と微妙な感情の確執がメーンテーマである。
目次
片寄った家系図
生い立ちの記
選ばれた生活
最初のモスクワ
おばあさん子
「リュックス」暮らし
友情の芽生え
コミンテルンの子供たち
赤いコーナー
ピオネール・ラーゲリー
キーロフの死
コミンテルンの指導者たち
赤い封印
屋根の上の恋
父の逮補