出版社内容情報
怪異は山深い村里ではなく、大都市江戸で起こった―。江戸時代後期の町奉行・根岸鎮衛が記した怪談奇談集『耳?』に収められた恐怖の風景を読み解き、仏教説話との関係、出産や性愛をめぐる奇談、日常に紛れ込む実話怪談などから、怪異と隣り合わせに暮らす人びとの精神世界を浮き彫りにする。後世の怪談文芸や都市伝説への影響も解き明かす。
【目次】
見えない世界と江戸時代人―プロローグ
仏教から怪談へ
幽霊とは何か
高僧の幽霊済度
二人妻の争い
産育と性愛の闇
怖いこども
出産と性愛をめぐる異聞
恐怖体験を語る
死者との遭遇
怪異の起きる家
怪異は場所を選ぶ
日常に紛れ込む怪異
身辺の妖気
妖魔の仕事
動物奇談の種々相
怪異を克服する人々
道理と知恵
人は怖い
怪異克服の果てに
『耳?』とは何か―エピローグ
あとがき
参考文献



