出版社内容情報
天皇家は千数百年ものあいだ、危機や変化を乗り越え、なぜ今日まで存続することができたのか。さまざまな変則を生み出した中世の転換点に注目し、院政の意義や官位と儀礼の役割、武家政権との交渉などを考察。天皇を生み出す婚姻、世襲と血統の経緯を解明する。現代の皇位継承や女性皇族をめぐる課題にも触れ、今後の天皇家のあり方を展望する。
【目次】
天皇制の課題を中世史から考える―プロローグ
中世の開始と天皇制
平成の退位をめぐって
中世の開始と院政
政権の構造変化
官位と儀礼 天皇のもとで継承されたもの
虚構の官位
官位を買う
秩序の源泉としての儀礼
危機と天皇、神との回路
危機にのぞんでの儀礼の役割
公事とは何か
神と天皇との距離
世襲の方式
天皇と世襲
古代天皇家の婚姻政策
摂関・院政期の婚姻政策
血統の確保・血統の管理
万世一系と武家の血統
天皇家の血統管理
南北朝の動乱と皇統の自覚
天皇制はどこへ向かうのか―エピローグ
あとがき
参考文献