感想・レビュー
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月音
3
小泉八雲『茶碗の中』『生霊』『蠅の話』の原話をはじめ、奇談・怪談を収めた『新著聞集』を目当てに買ったはいいが、そのまま放置で幾年月。やっと数年来の埃を払った。比べれば、八雲作はやはり描写、物語の膨らませ方に優れている。他、随筆四作、巷間の話題、神事仏事の故実にちなむ話、天地造化の理を神話・陰陽五行などの面から説いた随想。結局、斜め読み多。儒学・仏教思想が色濃いが、そこは大衆の好みにかなう通俗性を持たせている。赤穂義士一話に対して曾我兄弟、秀吉と虎の話がいくつかあるのに、当時の人気のほどが知れる。⇒続2025/01/11
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- 和書
- 眠りの森 講談社文庫