出版社内容情報
百歳の天寿を全うした古代史の泰斗が、生前出版を希望していた未発表を含む遺稿を精選。歴史学を志したきっかけ、戦前・戦後の歴史学界、海軍予備学生としての苦悩、難波宮の保存運動、家永教科書裁判傍聴などの随想、故郷神戸や知己との思い出などに折々の短歌を加え、天皇や戦争についての思いを戦争体験者として、戦争を知らない世代に語り継ぐ。
【目次】
古代史随想
戦時中からの自分をふりかえって―どうして古代史の研究に取り組んだのか―
補論―九十一歳の時に記す
【コラム】 淡路とヤマト政権―伊佐奈伎神社と大和大国魂神社を中心に―
崇神・垂仁・景行の三天皇の実在性とその山陵について
日本史のなかの奈良時代
『万葉集』の歌人たちが見た古代の神と天皇の関係
前期難波宮の特色と発掘初期の苦労
森鴎外は天皇制をどう見たか―『空車』を中心に―
「森鴎外は天皇制をどう見たか」補正
京都大学読史会の思い出―一九四一年から一九五〇年を中心に―
戦争の記憶
戦争について語り継ぎたいこと
【コラム】 特別攻撃隊(特攻)について思うこと
【コラム】 わが子の戦死を悲しむ母を思う
『厭戦』に見える針尾佐平
【コラム】 二等兵は大将に成れるか
天皇三態
【コラム】 終戦時の混乱の一つ
兵器と技術
戦死者の慰霊
故郷と家族
故郷 神戸
親族の思い出
武者小路実篤と「新しき村」
入学試験と柱時計
人間いかに生きるべきか―シェンキェーヴィチ『クオ・ワディス』―
寮歌と時代
【コラム】 野尻湖スキー日記
私の震災体験―一九九五年一月十七日・十八日のこと―
忘れえぬ人たち
家永先生の最終陳述を傍聴して
河野アヤノ様の思い出
嶋田曉さんのご逝去を悼む
井上薫氏のご逝去を悼む
吉田晶さんをしのぶ
短歌
あとがき