出版社内容情報
1300年の時を超え、天皇家と東大寺により守られてきた正倉院宝物。聖武天皇ゆかりの品、異国風の工芸、シルクロードや唐からもたらされた文物まで、その内容は多彩である。メッキや代用の技法、天馬や麒麟といった架空動物の意匠、象牙や翡翠などの素材から、めくるめく天平の美術を解説。古代の造形の粋をあつめた豊穣な世界へといざなう。
内容説明
一三〇〇年の時を超えて守られてきた正倉院宝物。メッキや代用の技法、天馬や麒麟といった架空動物の意匠、象牙や翡翠などの素材から、多彩な美術工芸を解説。天平文化の造形の粋をあつめた豊穣な世界へといざなう。
目次
1章 正倉院は代用品の宝庫である
2章 正倉院は空想動物園である
3章 正倉院鏡はかなり特異である
4章 材質
5章 鈴・鐸と鼓
6章 年中行事と仏事
付論 櫃
著者等紹介
山本忠尚[ヤマモトタダナオ]
1943年、東京に生まれる。1972年、京都大学大学院文学研究科博士課程考古学専攻単位取得退学。奈良国立文化財研究所研究員、天理大学文学部教授を歴任。2019年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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波 環
7
山本忠尚先生の遺作。先生にご講義を受ける機会が無かったのに私の師。私がスペイン巡礼をやり遂げられたのは、21歳の私に堀田善衛を読んでからスペイン旅行に行きなさいと諭してくれたからだ。この本は闘病中の先生が抜き刷りをお送りくださっていた論文をまとめたもの。正倉院展にたくさんの人が訪れるが、この本のような基礎研究があってこその展示だ。モノがそこにあるには必ず理由がある。御物が綺麗なのはわかる、その次に何があるのか?を知りたい人を満たしてくれる本です。わざと軽い書きぶりだけど、それも先生のサービス心でしょう。2024/12/29
takao
2
ふむ2023/01/16
chuji
2
久喜市立中央図書館の本。2022年11月初版。古代学協会発行の季刊「古代文化」に2013年から連載されていた「正倉院宝物を十倍楽しむ」、2019年に逝去された未完のものを纏めたもの。本物を観たいが奈良は遠い。2022/11/13
NAGISAN
0
毎年の「正倉院展」は楽しみにしている。宮内庁のHPで宝物は検索でき、便利な世の中になっている。本書は、「代用品の宝庫」、「空想動物園」、「かなり特異」など読み物として楽しめる。但し、一定の基礎知識は必要。2023/04/25