出版社内容情報
大海原を回遊し、江戸時代を支える重要な自然の恵み、イワシとニシン。新田開発が進み、人糞や草肥が不足すると、干鰯などの魚肥としても使われた。ヒトが制御できないイワシとニシンの漁獲は、豊漁・不漁を繰り返すことで社会にどのような影響を与えたのか。気候変動と漁の関係、経済、魚肥の流通などから、自然と近世社会との関わりを解き明かす。
内容説明
江戸時代を支える重要な自然の恵み、イワシとニシン。新田開発が進み、人糞や草肥が不足すると、魚肥としても大量に使われた。気候変動と漁の関係、経済、魚肥の流通などから、自然と近世社会との関わりを解き明かす。
目次
第1部 イワシから見た加賀藩(イワシの歴史;イワシ漁と海辺の暮らし;魚肥と藩領社会)
第2部 イワシ・ニシンから見た蝦夷地と畿内(ニシンの歴史;畿内の肥料取引と農村;肥料と近世国家と国訴)
本書の成果と今後の展望
著者等紹介
武井弘一[タケイコウイチ]
1971年熊本県に生まれる。1995年東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程修了。現在、琉球大学国際地域創造学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aby
5
中学の社会科でも,江戸中期以降になると綿花や菜種などの換金作物が栽培され,金肥を使うことで生産性が向上した,という内容を学んでいると思う.「金肥」は購入肥料のことであり,その金肥は何で,どこから来たのか……それをデータを示して説明してくれる1冊.◆農学関係者なので,めっちゃ面白かった.私的には農業史の本.また「ゴールデンカムイ」で北海道のニシン漁を見ていたので,アレがコレでこうなるのか!と学びが深まった.2022/03/22
takao
1
ふむ2022/04/10
石橋
1
なかにし礼作詞の「石狩挽歌」から鰊御殿に興味をもってこちらを手に取った。鰊御殿ができる前の歴史だった。ざっくり言えば”ヒト”の活動も自然の営みの一部。2022/01/30