出版社内容情報
『栄花物語』『大鏡』『御堂関白記』『小右記』などの平安時代の文学・日記等に記されている病気の状況や治療法を詳細に解説。さらに、冷泉・花山・三条など摂関期の天皇、藤原道長・実資など多くの公卿、藤原氏出身の女性貴族たちの病状を現代医学にあてはめて的確に診断する。王朝貴族の実生活をこれまでにない視点から解明した比類なき名著。
内容説明
平安時代の文学・日記に記されている病気を詳細に解説。さらに、冷泉・花山・三条などの天皇、藤原道長・実資など多くの公卿の病状を現代医学にあてはめて的確に診断する。王朝貴族の実生活を解明した比類なき名著。
目次
1 疾病の解説(日記物語と疾病;仮名書状と疾病)
2 病状の診断(歴代天皇の病状;王朝貴族の病状)
著者等紹介
服部敏良[ハットリトシロウ]
1906年岐阜県に生まれる。1932年名古屋医科大学卒業。元山下病院長、医学博士、文学博士、1992年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かどの炭
1
藤原実資は当時としては非常に長寿であり、90歳で没した。実資自身の頑健さや幸運もあるだろうが、自分自身で薬を煎じるほど医学(薬学)への知識があったからかもしれない。セルフケアというか、自分の体調をある程度(当時の基準として)は管理することも長寿には欠かせないのかも。2024/02/16
伊達者
1
昭和50年初出の本。なかなか興味深い。平安貴族の公卿クラスの平均寿命は60歳だったとのこと。当時の医学?水準や想像される食生活から考えるとかなりの長生きだと思える。酒が低アルコールで糖質が多く、米もたらふく食っていただろうから貴族は糖尿病も多かったのではないかということらしい。ただし乳幼児の死亡数は半端ではなかったはずで運よく育てばという話だろう。女性貴族の早死にも多かったようだが早すぎる結婚・出産も影響だろう。記録類の原文が多数引用されているので読み飛ばしになった。2023/10/15