内容説明
なぜそう読めるのか?変体漢文を訓読するための、はじめてのガイドブック。
目次
1 主語・主部(主語;主部;動詞の体言化)
2 述語・述部(動詞;形容詞・形容動詞;助動詞;補助動詞・終助詞)
3 修飾語・修飾部(目的語・目的節;副詞と連用修飾)
4 接続語・接続部(接続詞的に用いられる語;接続助詞的に用いられる語)
著者等紹介
苅米一志[カリコメヒトシ]
1968年福島県郡山市に生まれる。1996年筑波大学大学院歴史・人類学研究科単位取得退学。現在、就実大学人文科学部教授、博士(文学、筑波大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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デビっちん
27
日本の古い文献は「変体漢文」で記載されています。それは、正式な中国語の漢文とも違った日本独自の漢文です。その変体漢文の訓読法は従来口頭伝承されてきたようで、今回それを系統立てて解説してくれています。昔の言葉の約束事なので暗記が中心となりますが、合間合間に練習問題が収録されていて、知識の定着に一役買ってくれていました。本書だけで変体漢文を読みこなすことは難しいと思いますが、最低限の構造はとらえられるようになる気がします。2017/10/03
hyena_no_papa
8
ネットで見かけたので図書館から借りて来る。変体漢文を読むための入門書で、日本史をやる場合には必須の基礎知識だろう。国内には億単位の古文書があるとか― それを読むためにはここから入らねばならない。後記に「変体漢文の訓読は、文意の理解(史料解釈)という点でも、歴史学の研究にとって必要不可欠の作業である。」と言う。素人ながら漢文の釋読には少し手を出したことがあるが、この変体漢文はまた様相が違う。年から言って今更国内の古文書に触れてみようとは思わないが、たまたま遭遇した時はこの本を思い出して数文字でも読めればと。2024/10/24
紫草
7
若い頃の記憶力が欲しい。読んだ先から忘れるので、3歩進んで2歩さがり、また3歩進んで5歩さがり、全然進まん。でも、少しずつ読めるようになると楽しくて、何とか最後までたどり着きました。多分もう半分くらい忘れたけど。これから実際に古記録を読むのに挑戦する時に、手元にこの本を置いておいて、わからない所を調べたり確認したりするのに使っていきたいと思います。2022/03/31
Jampoo
5
古文書に使われている「変体漢文」を読む為の入門書。 頻出の単語や構文、用法を練習問題つきで学べる。 古文書を読むには崩し字より前にまずは文章を理解したいと手に取ったが、とても勉強になった。 古語辞典などの紹介もあり参考になる。2025/03/27
くまきん
3
日本における古代、中世の漢文による文書は、正統中国語の漢文とは違った「変体漢文」で著せられている。まあ素人の考えでも日本語の文章とその意味するものをそのまま漢文で表すという作業には何処か無理を生じるのではないかと思う。その変体漢文の訓読法は従来教員が学生に口頭で伝達して来たそうである。それを系統だったゼロからの入門書として書かれたのが本書だ。と、言ってこの本を一回通読しただけで史料をすらすらと読める訳が無いけれど(笑)2016/06/16