鉄道人とナチス―ドイツ国鉄総裁ユリウス・ドルプミュラーの二十世紀

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鉄道人とナチス―ドイツ国鉄総裁ユリウス・ドルプミュラーの二十世紀

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  • サイズ 46判/ページ数 360p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336062567
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0023

出版社内容情報

技術官吏の出身ながら異例の栄達をとげ戦間期のドイツ国鉄総裁として名声を得た鉄道人が、戦争とユダヤ人虐殺に加担するまでを描く。古い社会的偏見にさらされた技術官吏の出身ながら、二十世紀史の激しい社会変化のなかで異例の栄達をとげ、戦間期のドイツ国鉄(ライヒスバーン)総裁として国際的な名声を得た鉄道人が、ナチス・ドイツの暴力的な支配に迎合し、ついに鉄道行政の責任者として戦争とユダヤ人虐殺に加担するまでを、ドイツ社会経済史の枠組みで描く。

〈地図1〉ドイツにおける主要鉄道路線の展開(1870?1914年)
〈地図2〉ヨーロッパ(1939?45年)
〈地図3〉主な強制収容所・絶滅収容所の位置

はじめに
ベルリン・プリンツ= ハントイェリイ通り七〇番。同七六番。/ドイツ鉄道百周年祝賀行事/ドルプミュラー論争―「悪魔の国鉄総裁」か「ただ鉄道のために」か/小伝をはじめるにあたって

第1章
プロイセン王国の技官―十九世紀「ドイツ」鉄道史のなかのドルプミュラー親子(19世紀末まで)
二人のドルプミュラー/鉄道技師の世代区分/ユリウス・ドルプミュラーの修業時代/技術官吏の昇進難/ザールブリュッケンから青島へ

第2章
ドイツ帝国の海外鉄道―中国行きの鉄道技師(1908~1914)
第一次グローバリゼーションと皇帝/中国をめざすドイツ帝国/一九〇七年までの青島/津浦鉄道のドイツ人技師/中国体験

第3章
帝国の崩壊―第一次大戦下ドイツへの帰還 (1914~1918)
「長い十九世紀」のおわり/脱出/第一次大戦下の鉄道/帰国者はなにをみたか/革命と敗戦

第4章
ライヒスバーンの誕生―「愛されない共和国」とドーズ案(1919~1926)
共和制ドイツのプロイセン国鉄官吏/ドイツ鉄道統一への長い道(第一次世界大戦前)/大戦から「ライヒ鉄道(ライヒスアイゼンバーン)」へ/抜擢(一) 共和国の危機/寡婦たちの天文学的インフレ/抜擢(二) ドーズ案とライヒスバーン会社

第5章
ドイツ・ライヒスバーン総裁 相対的安定期から大不況へ(1926~1933)
ライヒスバーン総裁に/「ライヒスバーンはドイツ経済と興廃をともにする」/「ユリウス」の同僚たち/世界大不況とシェンカー契約

第6章
ヒトラーといかにつきあうか―強制的同質化のうけいれ (1933~1938)
民主主義がナチス・ドイツをうんだ?/「ライヒスバーンのヒンデンブルク」から「古きドイツ」の象徴に/強制的同質化/ナチ新政府をどうみたか/三〇年代・ライヒスバーン総裁の好日/好日?

第7章
ナチ政府の交通大臣―抗議者、アウトバーン、「鉄道の戦争」(1933~1942)
良心的抵抗者の後任/遅れたモータリゼーションとライヒスバーン/ドイツ道路総監トット/アウトバーン建設、その後/トットの世代、ドルプミュラーの世代/第二次世界大戦の開始/最後の「鉄道の戦争」/シュペーアと
 
第8章
「死への列車」をはしらせて―ユダヤ人移送の実行と敗戦直後の死(1942~1945)
マリオン・ツァーリンスキイの場合/「生への列車」ユダヤ児童輸送/「ユダヤ人は食堂車使用を禁ずる」/アルベルト・ガンツェンミュラー/ガンツェンミュラーと「ドルプミュラー論争」/死への列車(一) ユダヤ人移送の制度と組織/死への列車(二) 運ばれた人々/死への列車(三) 運んだ人々/戦時下のライヒスバーン総裁/敗戦のドルプミュラー

おわりに ドルプミュラーとはだれか 
W氏の宿題/ドルプミュラー 錯誤の悲劇/何(か)を学べるのか/組織への侵入/ドルプミュラーの位置づけ―「早生的ナチ・エリート」として/老人のあした/「躓きの石」として



あとがき

ユリウス・ドルプミュラー 関連年表 326
主要参考・引用文献 
図版出典一覧 
事項・人名・地名索引 

?澤歩[ バンザワアユム ]
著・文・その他

内容説明

古い社会的偏見にさらされた技術官吏の出身ながら、二十世紀史の激しい社会変化のなかで異例の栄達をとげ、戦間期のドイツ国鉄(ライヒスバーン)総裁として国際的な名声を得た鉄道人ユリウス・ドルプミュラー。若き日の中国行から、世界大戦と革命を経験し、ヴァイマール共和国の崩壊後にはナチス・ドイツの暴力的な支配に迎合、ついに鉄道行政の責任者として戦争とユダヤ人虐殺に加担するまでを、ドイツ社会経済史の枠組みで描く初の評伝!

目次

第1章 プロイセン王国の技官―十九世紀「ドイツ」鉄道史のなかのドルプミュラー親子(19世紀末まで)
第2章 ドイツ帝国の海外鉄道―中国行きの鉄道技師(1908~1914)
第3章 帝国の崩壊―第一次大戦下ドイツへの帰還(1914~1918)
第4章 ライヒスバーンの誕生―「愛されない共和国」とドーズ案(1918~1926)
第5章 ドイツ・ライヒスバーン総裁―相対的安定期から大不況へ(1926~1933)
第6章 ヒトラーといかにつきあうか―強制的同質化のうけいれ(1933~1937)
第7章 ナチ政府の交通大臣―抗議者、アウトバーン、「鉄道の戦争」(1937~1942)
第8章 「死への列車」をはしらせて―ユダヤ人移送の実行と敗戦直後の死(1942~1945)

著者等紹介

〓澤歩[バンザワアユム]
1966(昭和41)年、大阪生まれ。大阪大学大学院経済学研究科教授。博士(経済学)。大阪大学大学院経済学部卒、同大学院経済学研究科博士後期課程中退。滋賀大学経済学部助手、在ベルリン日本国総領事館(当時)専門調査員、大阪大学経済学研究科助教授などを経て、2010年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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星落秋風五丈原

36
たたき上げのいち技術者から始まった彼のサクセスストーリーと、悲願の統一を果たながらも連邦意識が根強く残っていたドイツの鉄道がやがて国鉄という形に収斂される過程が描かれる前半は高揚感がある。しかし後半、高揚感はしぼむ。ライヒスバーンは、第二次大戦時、国のトップに就いたナチス政権の指揮下に入る。ナチスと列車と言えば、悪名高い死の列車―アウシュヴィッツをはじめとする強制収容所へ、ユダヤ人達を移送した列車を走らせたのはドイツ国鉄だ。国鉄のトップだった彼は、ついに鉄道行政の責任者として戦争とユダヤ人虐殺に加担した。2019/04/24

ののまる

14
20世紀に、ドイツ国鉄(ライヒスバーン)を築いた総裁ユリウス・ドルプミュラー。ナチス政権下、兵隊を運び、負傷兵や復員兵を戻し、資財を運ぶ。各地の収容所へ何万回も列車を走らせたにもかかわらず、本人はその先で行われていたことを「知らなかった」と公言。単なる「鉄道人」として仕事をプロとして全うしただけなのか、あるいは利益と保身を取った悪魔か。戦争と侵略と鉄道は切り離せない。2021/02/28

いとう・しんご

8
読友さん切っ掛け。アレントの「アイヒマン」がジェノサイドの総合調整役の話なら、この本は輸送担当役の話。興味深く、また、学ぶところが多いが詳細は他の方のレヴューをご覧いただきたい。愚考するに、鉄道が技術発展と効率化の大きな推進力となり象徴となっていた時代がとうに過ぎ、リニアですらに一部の人びとしか心躍らせない今となって初めて、私たちは、その頃に相対化され忘れ去られた価値や倫理を再び想起するよう、この本は促されているのではないか、と思いました。2023/01/07

よしたけ

3
20世紀初頭に独国営鉄道総裁を務めたドルプミュラーとドイツの歩みを振り返る。鉄道事業の重要性やホロコーストとの関係性を知ることができるが、ホロコーストに目をつぶったドルプミュラーや鉄道員の振舞から、与えられた領分を懸命に守って生きざるをえない私たちに、貴重な省察の材料が与えられる。社会を存立させるため、抽象的には相手が自分だと同じという想定や共感が有り、反社会的であることはこれを否定することと思えるが、こうした動きに抗するときには、局所的な知識を超えるなにものかを持たなければならない、と著者は投げかける。2018/07/23

秋津

3
第一次大戦後、長期に渡り国鉄総裁として活躍したユリウス・ドルプミュラーの生涯、鉄道から観た近代ドイツ史(特に「ライヒ」成立について)、「鉄道人」のユダヤ人迫害への関与について論じた一冊。 技術者出身の有能なリーダー。一方、結果的にせよナチスと同じ列車に乗った「ドイツの鉄路はすべてアウシュヴィツに通じていた」(あとがき)時代の言わば「共犯者」。 責任感ある職業人であり、比較的イデオロギーと遠かった人物を見つめ、評価することにより過去・法制度、純粋な思想を超えたものを学べるのではないかと感じました。2018/04/22

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