出版社内容情報
十六世紀、主として中国沿海部で略奪・密貿易・狼藉を行ない、諸地域を荒廃させた倭寇。以前より知られていた「倭寇図巻」に加え、中国で新たに発見された「抗倭図巻」を全ページカラーの大画面で本邦初公開。両図巻を比較検討して関
内容説明
16世紀、時代の転換点にあって、東アジアの海域秩序を乱した倭寇。彼らを描いた作品として著名な「倭寇図巻」。それと非常によく似た「抗倭図巻」。日中の共同研究による最新の成果をビジュアルに紹介。
目次
第1章 「倭寇図巻」の魅力を探る
第2章 二つめの倭寇図巻―「抗倭図巻」の発見
第3章 比較検討「倭寇図巻」と「抗倭図巻」(図巻を解剖する;蘇州片の世界;文字は語る)
第4章 三つめの倭寇図巻?―幻の「平倭図巻」(「文徴明画平倭図記」を読む;「乍浦・梁荘の勝利」と胡宗憲;成立と流布)
第5章 倭寇の記憶―「太平抗倭図」の世界(民間絵画「太平抗倭図」;「太平抗倭図」に描かれた倭寇)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒトコ
1
その構図や近赤外線撮影により読む事が出来た文字、類似作品の存在も紹介しながら、表題2図巻の相違について解説。 2図巻の構図はよく似ていて同じような行動をする人物達も描かれている。これらは蘇州片とよばれる贋作であろうという。 存在は確認されていないが、原作画があったに違いない。 確認できた文字により、描かれた明軍による倭寇鎮圧の様子は「嘉靖大倭寇」と思われ、明軍が民衆を守った様子を示したかったようだ。 倭寇の事は授業で習ったが、解説から単純な海賊行為の集団という訳でもないことも少しわかった。2025/06/29
takao
1
ふむ2024/10/21
四不人
1
中国のこういう絵巻は初めて見た。描かれ方が妙にリアルで、「きっと本当にこうだったんだな」と思わせる。探せばもっとあるんじゃないかな。全編カラーなんだけど、オリジナルの色が褪せているので、ちょっと見づらいのが残念。書かれている文字もそうだけど、「復元」も見たい。2021/04/28
onepei
1
図版も大きく楽しめた。中国にはほかにも倭寇を描いた絵があり、「倭寇」は強烈な印象を残していたのだろう。2015/01/28