内容説明
女官・奥女中・キャリアなど、古代から現代まで女性官僚が形を変えつつ活動してきた歴史を明らかにする。政策の立案や決定過程への女性参加率は世界110位という日本の現状に対し、官僚制と女性の歴史的関係から、その淵源に鋭く迫り解決を模索する。女性実務官僚の一貫した歴史という、女性史研究にとって初めての試みをまとめた注目の一書。
目次
序文 「女性官僚の歴史」をふりかえる
女性の「排除」と「包摂」―古代の権力システムのなかの女官
典侍試論―即位〓(けん)帳を中心に
戦国期の女官と武家伝奏―『守光公記』に見る女房奉書の史的役割
禁裏女房の人事と職務
大名家の「女使」の任務―仙台藩伊達家を中心に
明治宮廷改革と女官
労働省婦人少年局と女性官僚たち―第一期を中心に
男女平等憲法と男女分業政策のはざまで―現代の女性官僚