内容説明
江戸の旗本に嫁いだ女性が美作(岡山)の実家へ書き送った手紙。そこには家計のやりくりや子どもの教育、開国で揺れる世情などが克明に描かれていた。江戸時代後期の女性の生活や心情を、自らの言葉から明らかにする。
目次
はじめに―手紙を書く女性
1 医師の家に生まれて
2 武家になる
3 家族を支える
4 実家と嫁家
むすびにかえて―武家と庶民のはざまで
著者等紹介
妻鹿淳子[メガアツコ]
1943年、岡山県生まれ。1966年、岡山大学法文学部史学科卒業。1969~2004年、清心女子高等学校教諭。2007年、岡山大学大学院文化科学研究科修了、博士(文化科学)。現在、岡山地方史研究会会長、川崎医療福祉大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なにょう
15
禍福は糾える縄の如し。ある旗本の奥さんの一生。岡山で生まれるも、遣り手の伯父に連れられ上京。縁づき男女の子をもうけるも、夫に死なれる。再嫁する。中の下の旗本。扶持、現代で言うところの給料はあっても、武士は体面があるから、借金が嵩む嵩む。加えて火事に地震。後継ぎをもうけても役につけるのは一苦労。然るべき役につくのに10年待つこともある。奥方の息子、これから先が楽しみという矢先、蝦夷の任地、慣れない土地柄、呆気なく亡くなる。★岡山の旧家に残る書状からある女性の一生読み解く。面白かった。2019/09/13
海
1
ある家から史料である手紙みつけ、自分で読解し、他の文献を参考に推理し、ひとりの女性とその周囲の家について丁寧に調べていく。これは史学科を出た人ならうらやましくて仕方ないんじゃないかな。旗本ってもっと裕福な暮らしかと思ってたら実はそうでもなかった、と言うことがわかった。いわんや御家人をや、と言った感じ。2012/01/31
takao
0
ふむ2017/07/22