内容説明
明治の政治結社から護憲政党の活躍、戦時下の政党消滅、自民党・社会党を柱とした五五年体制と派閥政治、二〇〇九年の政権交代までの政党史を平易に解説。民主政の柱、権力装置としての“政党”の実態と本質を問い直す。
目次
はじめに―政党史研究の意義
1 明治前半期における政党の誕生(‐1890年)
2 大日本帝国憲法下での政党の発展(一八九〇‐一九三二年)
3 政党政治の凋落と再生(一九三二‐五五年)
4 「五五年体制」の変貌と危機(一九五五‐八六年)
5 政治改革と政界再編(一九八六‐二〇〇九年)
著者等紹介
季武嘉也[スエタケヨシヤ]
1954年東京都生まれ。1979年東京大学文学部国史学科卒業。1985年東京大学大学院博士課程単位取得退学。現在、創価大学文学部教授、博士(文学)
武田知己[タケダトモキ]
1970年福島県生まれ。1994年上智大学文学部英文科卒業。1998年東京都立大学社会科学研究科博士課程退学。現在、大東文化大学法学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スプリント
6
明治から大正期の政党の変遷が面白い。2020/10/24
belier
2
明治から2009年までの日本の政党史。面白いのは五・一五事件で政党内閣が中断する前まで。それ以降はこの本の記述も平板になった。個人的には、有吉佐和子「紀ノ川」で主人公の夫が政友会所属の政治家として活動するが、その背景がわかったことがよかった。政友会は、見識に優れた地方の地主(この本の言い方で名望家)が代表として選出され、緩やかに結合した政党であり、全国の地域から道路・河川・鉄道などの欲求を吸い上げ調整することは、この党ならではの機能だったという。「紀ノ川」を読んだばかりなので、実に納得のいく記述だった。2022/04/12
kozawa
1
明治から2009前夜まで。多様な文献にあたって幅広く書いてるけどまぁ、こういうのって一つ一つを掘り下げればキリがなさ過ぎなのでバランス難しいと思うけどまぁ頑張ってるんじゃないでしょか。それなりに面白く楽しませていただきました。55年体制という単語の多様性やらいつできて、でも60年代から崩壊をいう人はいたよとかいう話は割と面白く読んだり。2012/03/15
こだまりえる
1
明治の黎明期から2009年の政権交代までの政党史を平易に述べた良著。戦後の部分については、石川真澄『戦後政治史』(岩波書店)と併せて読みたいです。こうして振り返ってみると、ここ25年で小沢一郎はどれだけ政界に波乱を起こしたのかと、その功罪に心を打たれるばかりです。2011/07/13