内容説明
戦後教育のなかで、均一の“日本人”像が官民一体となって創り出されてきた。旧教育基本法、国民的歴史学運動、沖縄の教育実践等が孕む問題点と可能性を探り、閉鎖的なナショナリズムを解き放ち、日本人教育の未来を展望する。
目次
第1章 もう一つの教育基本法―教師たちの戦後責任とナショナリズム
第2章 国民内部の一体性―加藤文三「石間をわるしぶき」
第3章 国民史の起源と連続―月の輪古墳発掘運動
第4章 国民的記憶の揺らぎ―本多公栄「ぼくらの太平洋戦争」
第5章 反復される記憶―地理的統合とポスト植民地主義
終章 「国民」を創造する装置としての学校教育
著者等紹介
小国喜弘[コクニヨシヒロ]
1966年、兵庫県に生まれる。1989年、東京大学文学部国史学科卒業。1996年、東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻学校教育開発学コース博士課程単位取得退学。1999年、博士(教育学)。成城大学文芸学部専任講師を経て、首都大学東京都市教養学部人文社会系准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えんさん(연싼)@読書メーター
2
教育現場で「日本人」をめぐって上と教員たちは闘ってきた。ところでこの闘いの中に、子どもの姿はあっただろうか?本書では戦後の歴史教育の描き方について、「日本」という大きな枠組みではなく、農民や国民の枠組みから除外された人々(在日、沖縄など)の歴史を取り入れようと試みた試行錯誤が書かれている。「日本人」とナショナリズムが強調される最近だからこそ、排除される人々の歴史をいかに拾い、描くかが必要になるはずだ。2016/02/12
kzr
0
読破できる忍耐力がついたので指導教員の本読破した2020/09/27
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