出版社内容情報
歴史にはその流れを大きく変え、あるいはいっそう加速させ、歴史の行方を決定づける転換点がある。幕末の黒船来航・戊辰戦争から米騒動・ワシントン会議まで、近代日本の転機となった三二テーマの現場に目を据え、わかりやすく解説する。近代日本の歩みの中で進むべき路を模索した先人たちの苦心に学ぶ、クロニクル日本近現代史〈明治・大正〉編。
★毎日新聞 2007.6.3 読書面で紹介
評者:五味文彦氏(放送大学教授)
内容説明
黒船来航、戊辰戦争、廃藩置県、西南戦争、憲法発布、韓国併合、米騒動、パリ講和会議、ワシントン会議…。歴史にはその流れを大きく変え、または加速させ、歴史の行方を決定づけた転換点がある。明治・大正の日本を変えた32の“その時”。
目次
黒船来航―プロローグ
1 封建体制の解体と文明化(排除された「最期の将軍」―小御所会議;五稜郭陥落―戊辰戦争の終結;廃藩置県の発令―その日の東京・福井;散髪と様相―「因循姑息」から「文明開化」へ;陸蒸気が運んだ文明―鉄道の開通;薩軍敗退への分岐点・熊本城の攻防―西南戦争;内国勧業博覧会と万国博覧会―殖産興業;大久保利通暗殺―明治創業期の終焉)
2 立憲政治の実現(府県会の開設―地方自治の整備;政党の結成―自由党の誕生;伊藤博文のヨーロッパ観察と立憲政治調査―「性急すぎる日本の改革」;立憲政治の実現へ―大日本帝国憲法の発令;日本最初の政党内閣―隈板内閣の明暗;新しいメディアの形成―『万朝報』の創刊)
3 帝国日本の伸張(三国干渉と黄禍論;「百日維新」と日本―清末中国知識人の変法強国の悲願;八幡製鉄所の創業―近代産業の発展と国際競争力;新聞の主戦論と倒閣運動―「ロシア討つべし、弱腰内閣倒すべし」;外債発行の現場から―ロンドンの高橋是清;深刻化する日本人移民問題―学童隔離の衝撃;韓国併合)
4 民衆の時代(『青鞜』の創刊―「元始女性は太陽であった」の宣言;憲政擁護・閥族打破―第一次護憲運動;「越中女一揆」―米騒動の発端;「平民宰相」の登場―原敬内閣の誕生;憲法記念日の大示威行進―普通選挙の実現を求めて)
5 国際協調とアジアのナショナリズム(人種差別撤廃ならず―パリ講和会議と日本;三・一運動―日本の朝鮮「武断統治」の破綻;五・四運動―現代中国の胎動;ワシントン会議―海軍軍備制限条約、九ヵ国条約への調印;幣原喜重郎外相と南京事件―対中政策をめぐる論争)