内容説明
貴族たちの陰湿な望みをかなえるために、都に暗躍する法師陰陽師。呪詛と呪術に生きた彼らは、どのような人々だったのか。歴史の闇に隠された呪いあう貴族の生々しい怨念を読み解き、平安京の裏の姿を明らかにする。
目次
序章 呪詛を語るもの
第１章 呪詛と陰陽師（御堂関白藤原道長と呪詛；政争の中の呪詛；病気・もののけ・呪詛）
第２章 平安貴族の呪術世界（苦しむ悪霊；呪文を唱える平安貴族；王朝物語の中の“見えない暴力”）
終章 蘆屋道満の実像
著者等紹介
繁田信一［シゲタシンイチ］
１９６８年東京都に生まれる。１９９７年東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。２００３年神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了。現在、神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、同大学外国語学部非常勤講師、博士（歴史民俗資料学）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ～ 1件／全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
神太郎
32
あまり、陰陽師や呪詛に関する資料というのはないのが残念なところだ。その数少ない資料から今では「オカルト」としてくくられてしまっている陰陽師、呪詛というものを学術的に解析していくのはなかなか面白い。貴族がこぞって呪詛を使っていたというのも興味深いが蘆屋道満と安倍晴明の対立構造というのが事実が正しく伝わらなかった結果の産物だったとは！蘆屋道満も安倍晴明も史実上は道長の呪詛事件に関与していない。被害者、加害者のご贔屓陰陽師であるだけで主犯の陰陽師（僧）は違う人だったのだ。→2022/02/27
Toska
17
平安朝裏面史とでも言うべきドロドロしたテーマだが、中身は同時代史料を駆使した至って堅実なもの。興味本位に流れず、一方で読みやすさにも配慮されていて著者の文才を感じる。平安時代は基本的に平和で殺人や流血が忌まれ、死刑すら行われなかった。だが熾烈な権力闘争が続く中、人の悪意や殺意は失われず、却って激しく沸騰する。物理でダメなら呪いで殺してやれ！かくして呪詛は甚だ流行した…というお話。2024/10/11
遊未
10
再読のような記憶があります。 呪詛事件、当時の人々にとっての呪詛、道満が代表のように後世に伝わってしまった法師陰陽師について。呪詛は現実の殺人、強盗同様の犯罪であり、恩赦もなかった。今の世の式神はドローンでしょうか。2020/01/13
いんちょ
1
２００６－１１１１2015/06/06
うれしの。
1
今「陰陽師」シリーズを読んでる関係から。重なる話が結構あって興味深い。2012/03/15
