出版社内容情報
室町時代、権力者たちは古代の英雄に自らを重ね、絵巻にその姿を再生させた。足利尊氏から義昭まで歴代将軍たちが絵巻を制作・収集・鑑賞し、その世界に魅入られていく姿を照射する。また、絵巻の制作に台頭し中世絵画の新境地を拓いたやまと絵師土佐派の筆の冴えに迫る。絵巻を描かせる者、描く者それぞれの眼から政治と美の交錯を描く意欲作。
★2008.10.12 朝日新聞 評者:石上英一氏(東京大学教授)
内容説明
室町時代、歴代の足利将軍が絵巻の制作・収集・鑑賞を繰り返し、その世界に魅入られていく姿を照射する。また、絵巻の制作に台頭したやまと絵師土佐派の筆の冴えにも迫る。将軍と絵師の両者から描く政治と美の交錯。
目次
プロローグ 絵巻の魔力
1 古典と創造(足利義満の絵合―古典創出の舞台;武威と霊威―足利尊氏・義詮・義満の絵巻制作;絵巻転写と追善供養―室町殿歴代と「融通念仏縁起絵巻」;高階隆兼絵巻の再生―足利義教と「誉田宗廟縁起絵巻」)
2 再生と革新(足利義尚の絵巻狩り―応仁・文明の乱後の絵巻再生;瀬戸内海と修験の山―細川政元と「槻峯寺建立修行縁起絵巻」;流浪の将軍と伝説の将軍―足利義稙と「清水寺縁起絵巻」の坂上田村麻呂;視覚の革新―絵巻に見る土佐光信の新様式 ほか)
エピローグ 最後の将軍が見た絵巻―足利義昭と「道成寺縁起絵巻」
著者等紹介
高岸輝[タカギシアキラ]
1971年、アメリカ合衆国イリノイ州に生まれる。2000年、東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了、博士(美術)。日本学術振興会特別研究員(PD)、大和文華館学芸部員を経て、東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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