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内容説明
地域を超えたネットワークが技術の伝承を支え、作り手が体で覚え込んだ技は合理的な動作を生み出す。町工場は、技術の最先端と職人の技を併せ持つ。現代社会に生きる職人たちのありようを、伝統とともに深く考察する。
目次
職人と社会(“職人”の成立と変遷;職人の存在と職人への視線―職人との接点・技の理解;社会のなかの職人―時代と生きる)
1 職人という生き方(職人―その多様性と普遍性;職人になる―修業と一人前;腕を磨く;職人の生き方―技と信仰に支えられる職人気質)
2 身体と技(モノと使い手;布作りとその技術;布使いとその技術;住まうことの技術)
3 町工場(日本の近代化と町工場;町工場という社会;町工場の生活;町工場のものづくり;町工場と地域社会;町工場をめぐる民俗研究)
著者等紹介
三田村佳子[ミタムラヨシコ]
1951年、埼玉県に生まれる。1981年、成城大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、埼玉県立歴史と民俗の博物館学芸主幹
宮本八惠子[ミヤモトヤエコ]
1954年、栃木県に生まれる。1984年、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業。現在、民俗誌ライター
宇田哲雄[ウダテツオ]
1964年、埼玉県に生まれる。1990年、成城大学大学院文学研究科博士前期課程修了。現在、埼玉県川口市立文化財センター主査(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
3
職人の地域貢献としては、仕事場で製品販売する桶屋・下駄屋・紺(こう)屋・鍛冶屋のような居職(いじょく)と、出かけて家屋を建てる大工・左官のような出職(でじょく)の二種類ある(9及び32ページ)。栄村の下駄履きヘルパーは御用聞きだが、そうした御用聞き的なこともやっていたのだろう。「これで良いと思ったら進歩がない」(20ページ)とは慢心を戒め、常に向上心を唱える生き様である。極論すれば、職人技は作品の出来栄えでしか、その人を評価できないが、その作成プロセスを見る機会があれば、「職員道学」が可能か。技の凄み。2012/11/14