内容説明
後醍醐天皇は、王朝国家にならって儀礼と政治を一体化させることで、王権の高揚をめざす。それは中世の国家‐王権が古代神話にかわる何ものかを求める姿でもあった。絵画資料や芸能も援用して中世の思想・文化の構造に迫る。
目次
国家における儀礼と芸能
“中世”という時代―一九八九年に
大祓詞私釈―天皇と仏教の接点を求めて
社寺縁起と説話
六字河臨法の世界
霊場信仰と文芸
庭に歴史を語らせる―かくされた中世的世界のために
念仏と在地神祇―『一遍聖絵』巻八の世界から
神話テキストとしての“中世日本紀”
東寺即位法の三印二明について
後醍醐天皇と天の羽衣
北畠親房と即位灌頂
南北朝の動乱と『太平記』