内容説明
高知県物部地域の民間宗教いざなぎ流。現在でも病気治癒・家の神祭祀や動物霊に対する諸祈祷が行われる。その信仰世界の特質を、山深い地での、山や樹木・動物との関わりや信仰にも注目し、地域の民俗から問い直す。
目次
いざなぎ流の近代
第1部 物部の職能者といざなぎ流(木霊をめぐる祭儀と信仰;物部の大工の建築儀礼といざなぎ流;物部の狩猟と動物霊の鎮魂―西山法をめぐって;物部の諸職といざなぎ流)
第2部 いざなぎ流祈祷祭儀と呪法(いざなぎ流託宣祈祷の諸相―神霊と交流する言葉と身体;死霊・祖霊をめぐるいざなぎ流祈祷;物部の葬送習俗といざなぎ流祈祷―境界的時空における儀礼の考察;物部の仮面といざなぎ流)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
草津仁秋斗
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いざなぎ流を中心に、物部における民俗について、フィールドワークや太夫の書いたものから得た情報をまとめた本。2014/09/13
にたす
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呪詛(すそ)や山川の様々なものを「取り分ける」という見方は独特なものに感じる。儀礼の途中で上手く進んでいるかどうか神に確認しながら進めるやり方も他では聞いたことがない。2011/11/25
近藤こたつ
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四国の山深くの村での民間信仰というとなかなか怪しげに聞こえるけど、その地の人にとっては仏教とか神道とかと同じような信仰の形のひとつ。今でも太夫さんはいらっしゃるし、お願いすれば祈祷もしてくださる。ただ、太夫さんの高齢化も進んでいるし、もう今の方々が最後の世代になるんだろうとは思う。今のうちにちゃんと理解したいとは思っているけど、いろんな宗教の考え方を内包しているから難しい。2023/02/08




