内容説明
一人の死者に対して位牌を複数作り、子ども達に配る「位牌分け」。従来、祖先祭祀は父系的な家制度と不可分とされてきたが、分与された位牌は妻方・母方のものも等しく祀られる。家の枠組みを越えた「位牌分け」の論理とは何か。他家の位牌を持ち込む女性の地位・帰属にも注目し、祖先祭祀の通念と、葬送儀礼の担い手としての家族の在り方を再検討する。
目次
序章 「位牌分け」研究の意義
第1章 「位牌分け」の分布と地域的特色
第2章 「位牌分け」と祖先観―群馬県吾妻郡中之条町の位牌祭祀
第3章 「位牌分け」と忌中習慣―静岡県伊豆・駿東地方の忌中慣習
第4章 葬後供養と忌掛かりの親族―山梨県の親念仏とオカエリジンギ
第5章 葬送儀礼と家族・親族の再編―福島県東白川郡矢祭町のオヤジマイ
終章 「位牌分け」からみえるもの
著者等紹介
中込睦子[ナカゴミムツコ]
1953年愛知県に生まれる。1985年明治大学大学院政治経済学研究科博士後期課程単位取得退学。現在筑波大学大学院人文社会科学研究科(歴史・人類学専攻)助教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。