内容説明
佐渡で開発され、一八八〇年代以降日本海沿岸に広く普及した「佐渡式イカ釣具」。その分布と技術移動の関係を体系的に解明する。国や地方の「官」の漁業施策にみるイカ釣具への評価や、イカを追って各地を移動した出稼漁民の「民」のライフヒストリーに注目して、急速な伝播の実態に迫る。従来の民俗学に「技術移動」という新たな分野を切り開く。
目次
釣漁具の技術移動に見る漁撈民俗の課題と方法
第1部 佐渡の漁業とイカ釣漁(佐渡の漁業の特質;佐渡のイカ釣漁)
第2部 漁具・漁法の近代(佐渡式イカ釣具の評価と普及;イカ釣りの伝習生とイカ釣教師の派遣)
第3部 出稼漁師による技術移動(ワタリ漁師とイカ漁;技術移動と分布地域)
漁撈民俗における技術移動研究の意義
著者等紹介
池田哲夫[イケダテツオ]
1951年新潟県佐渡に生まれる。1998年新潟大学大学院現代社会文化研究科博士後期課程単位取得退学。現在、新潟大学人文学部助教授、博士(文学)
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