出版社内容情報
『小島のすさみ』(南北朝の動乱と北朝の廷臣/『小島すさみ』を読む(一)/『小島』のすさみを読む(二)/『小島』のすさみを読む(三))/『さかき葉の日記』(貞治の神木入洛/『さかき葉の日記』を読む(一)/『さかき葉の日記』を読む(二)/応安の神木入洛)/『雲井の御法』(宮廷行事としての法会/『雲井の御法』を読む(一)/『雲井の御法』を読む(二)/宮廷誌としての仮名日記)/附録 中世廷臣の仮名日記一覧/摂関家略系図/『小島のすさみ』関係地図/鎌倉~室町期の内裏・仙洞における法華八講・法華懺法講の一覧/補論
内容説明
南北朝時代の北朝の関白で、連歌の名手二条良基。その仮名日記は荒廃した朝廷を復興し、新たな公武関係を構築しようと苦闘する姿を映し出す。三つの作品を文学と政治両面から読み解き、もう一つの南北朝動乱期を描く。
目次
第1講 『小島のすさみ』(南北朝の動乱と北朝の廷臣;『小島のすさみ』を読む)
第2講 『さかき葉の日記』(貞治の神木入洛;『さかき葉の日記』を読む;応安の神木入洛)
第3講 『雲井の御法』(宮廷行事としての法会;『雲井の御法』を読む;宮廷誌としての仮名日記)
附録
補論
著者等紹介
小川剛生[オガワタケオ]
1971年東京都に生まれる。1997年慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程中退、博士(文学)。熊本大学文学部、国文学研究資料館を経て、慶應義塾大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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南北
39
読友さん本。足利義満に公家の作法を指南したとされている二条良基のかな日記ということで読んでみました。タイトルの「宮廷誌」とは日記とも紀行文とも物語ともつかないものを指しています。源氏物語を想起させる語句を巧みに取り込むことで、フィクションのように見せながら、あるべき史実のように描写しているところは興味深く感じました。北朝の公家社会に関する研究はこれからのようですが、いい本があれば読んでみたいと思います。2021/07/08
よしあ
4
文学と史学のはざまの考察。学問的には分かれてるらしいが、一般人からするとクロスオーバーするほど面白い。一言一句を吟味していく研究者の苦労は大変と思います。2022/09/04