内容説明
菅原道真の伝記と神格化を描く『北野天神縁起』。歴史と伝承が複雑に交差したストーリーを、絵巻にも注目し史実や時代と関連させて読み解く。『縁起』を一つの文学作品として取り上げ、後世への多彩な影響も考えた初の試み。
目次
北野天神縁起とその時代(北野天神縁起と菅原道真;怨霊としての発現から北野天満宮創建へ;天神信仰の変容と信仰の諸相;天神信仰の四つの磁場と地域的拡大;北野天神縁起成立への道程)
1 北野天神縁起を読む―史実と伝承(菅原道真の生涯;道真の怨霊と北野天満宮の創立;北野天満宮のご利益)
2 北野天神縁起の世界(寺社縁起としての北野天神縁起;北野天神縁起と神仏習合思想;地獄絵・六道絵の歴史の中の北野天神縁起絵巻)
3 中世・近世における北野天神縁起(中世における北野天神縁起絵巻の制作―承久本から光信本へ;近世における北野天神縁起絵巻の制作;北野天神縁起と中世・近世の文芸および芸能)
著者等紹介
竹居明男[タケイアキオ]
1950年京都府に生まれる。1979年同志社大学大学院博士後期課程中退。現在、同志社大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
渋江照彦
3
色々と思い入れがある一冊ですが、それを割引いてもとてもとても面白い本でした。天神さんに興味のある方は、一読されると良いかと思います。2015/06/10
withyuko
2
図書館で借りましたが、私には難しかったです。藤原時平の耳から青龍が出てくるところばかりが気になって。一体どんな現象を見て昔の人はそんなことを言ったのか?でも、それにはこの本も深く書かれてはいなくて、「大鏡」の「左大臣時平」のところを読むともっと道真公について書いてあるらしいとか。「大鏡」読まなくちゃ。現代語訳あるかな?2019/05/04
今夜は眠れない
2
参考に。2015/10/18
ルナティック
1
コレは絵巻と睨めっこしながら読む本じゃないかいな?と思う。かなり研究方面に行っているが、好きならば楽しめると思う。つくづく、天神信仰の幅広さ=キャパの大きさを実感できる。だからこそ、親しめる神として身近に感じるのだろうか。とは言いつつ、その成り立ちはかなり複雑。それがまた面白いんだよなぁ。2019/03/19
a
0
天神信仰って一口に言っても成立過程とか、信仰の仕方とか、時代によって違う。絵巻というひとつの媒体でどこまで心をつかめるのか。北野天満宮行ったことないので、近々行こうと思います。2013/05/02