出版社内容情報
京・関東の争乱が東海に及ぶと、幕府重臣の吉良・斯波・土岐氏の影響力は低下。今川・織田・斎藤氏の覇権争いが続き、松平・水野氏ら地域権力も頭角をあらわす。宗教や武家文芸にも着目して描く〈天下人〉誕生の前史。
内容説明
京・関東の争乱が東海に及ぶと、幕府重臣の吉良・斯波・土岐氏の影響力は低下。今川・織田・斎藤氏の覇権争いが続き、松平・水野氏ら地域権力も頭角をあらわす。宗教や武家文芸にも着目して描く“天下人”誕生の前史。
目次
序 戦国期の東海地域―「東海」成立の諸前提(水野智之)
1 戦国期の尾張―斯波・織田・水野氏の動向(水野智之)
2 戦国期の美濃・飛〓―斎藤氏四代と周辺勢力(石川美咲)
3 戦国期の三河―松平・戸田氏と吉良氏の動向(小林輝久彦)
4 戦国期の駿河・遠江・伊豆(鈴木将典)
5 戦国期の伊勢国・伊賀国・志摩国(太田光俊)
6 戦国期東海地域の宗教勢力(安藤弥)
7 戦国期東海地域の武家文芸(尾下成敏)
著者等紹介
水野智之[ミズノトモユキ]
1969年、愛知県に生まれる。現在、中部大学人文学部教授、博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
14
信長や家康の祖父や父世代の時代を扱う。尾張の斯波、三河の吉良といった「戦国時代にはオワコン」な室町守護たちが、まだギリギリ影響力を保っているところが面白い。遠江を巡り今川とバチバチに争う斯波氏、しぶとく反今川の旗頭を務める吉良氏など、なんとかもうひと踏ん張りしたら今川や武田みたく守護から戦国大名に脱皮出来たんじゃないかと思いつつ、でも無理かなぁとも納得する。あと美濃の斎藤氏に対する、周辺勢力の実に冷淡な様子も印象深い。成り上がり者に対する冷たさは、元気な守護家と併せてまだまだ室町秩序が生きていた証である。2024/09/20
Ryuji Saito
1
2024年75冊目。2024/10/27