出版社内容情報
列島に広く浸透した魚食文化を、海の魚と淡水魚、クジラ・イルカ食などから考察。肉食文化を、明治以降の急速な拡大も含め概観する。
内容説明
列島に広く浸透した日本の豊かな魚食文化を、海の魚と淡水魚、すしの変化、クジラ・イルカ食などから考察。一方で長く忌避され地域限定的だった肉食文化を、明治以降の急速な拡大も含め概観する。近年話題の昆虫食にも注目。
目次
総論 魚食の展開と肉食の拡大
刺身と塩干物―旬の魚と魚食の広がり
コイ・フナ・アユ―暮らしに身近な淡水魚の魚食文化
クジラとイルカ―海の肉
発酵ずしから握りずしへ―魚食の変化
イノシシとシカ―山の獲物から害獣・ジビエへ
昆虫食―山里のたんぱく源
とんかつとすき焼き―文明開化後の肉食
著者等紹介
藤井弘章[フジイヒロアキ]
1969年和歌山県に生まれる。2002年京都大学人間・環境学研究科博士後期課程満期退学。現在、近畿大学文芸学部教授、博士(人間・環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2023/01/12
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
1
牛肉食の歴史は浅いが、決してベジタリアンではなかった日本人。虫から野生動物から魚から…まあ動くものはほとんど工夫して食べているのだな。シーボルトの本に、日本人は鶴を貴重な食材として贈ってくると書いてあったし。仏教思想の受容により天武天皇が「牛、馬、猿、犬、鶏」食用の禁止令を出した…ということは猿と犬を食べていたということなのだなあ。2019/10/28
もけうに
1
同シリーズの「食事と作法」より読み易く、面白かった!どの論も著者の拘りが伝わってくる。特に寿司の話は文章にユーモアがあり、思わず吹き出してしまう部分も多々。しかし内容は深く、且つ理解しやすい。著者独自の寿司発展フローチャートは大変わかりやすく、且つ面白い。伝統を守りつつ、意固地にならずに寿司の発展・変化も受け入れる…その懐の広さが、今日の世界的なsushiブームに繋がっているのだろう。昆虫食の章も著者の熱意はひしひしと感じるが、やはりちょっと…オエッ(小声)。2019/07/07